小学校との接続

小学校生活をゼロからのスタートにしない体制づくり

義務教育開始前後の5歳児から小学1年生の2年間の「架け橋期」は就学前教育施設と小学校が意識的に協働して子どもの発達や学びをつなぐことにより、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくることが重要であるとされています。

文部科学省による「幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会における審議のまとめ」には「教育基本法において『生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの』として規定される幼児期の教育と小学校以降の教育とを円滑につないでいくためには、子供の成長を中心に据え、関係者の立場を越えた連携により、発達の段階を踏まえた教育の連続性・一貫性の基に、接続期の教育の充実に取り組むことが必要である。」と記されています。

西脇市では、「幼児期の教育」と「小学校教育」の円滑な接続に向け、大きく3つの取組、1.知る・見る(実態把握)2.研修・学ぶ(理解)3.仕組みづくり(カリキュラム)を行い、0歳から15歳の一貫した教育・保育体制の構築を目指しています。

1.お互いを知り、理解し合うための訪問参観

園小交流訪問(こども園職員・小学校教諭)

西脇市では、令和3年度から夏季休業期間中に小学校教諭が、主に同じ中学校区の園を訪問し、子どもたちの遊びや生活する姿を参観することを始めました。「園の教育・保育を小学校へつなげる・生かす」という視点をもって、園での子どもたちの遊びや活動の様子を見ることで、育ちや学びを理解する機会となります。

また令和4年度からは、こども園の前年度5歳児担当者等が、5月以降の1学期中に進学先の小学校を訪問し、1年生クラスの授業を参観することを始めました。卒園した子どもたちがどのように小学校で過ごしているかを見るだけでなく、小学校の先生方の子どもたちへの関わり方や、授業内容、環境の工夫等も意識して参観することで、小学校の先生方の意図を理解することができます。また園と小学校の子どもの様子の情報共有も行います。

どちらの訪問・参観も、ポイントは、お互いを知り、理解し合うことです。

2.幼児教育を理解し、つなげるための合同研修 

小学校との接続・連携研修

令和元年度から、市内すべての学校(小・中学校)・園(認定こども園・幼稚園等)の教職員を対象にした小学校との接続や連携、カリキュラムに関する合同研修を実施しています。「就学前教育・保育の質の向上推進委員会」の委員でもある兵庫教育大学鈴木正敏教授を講師に迎え、公開保育や講義等を通して、年齢に応じた子どもの「遊び」と小学校の「学び」へのつながりについて研修します。主体的な遊びの積み重ねが、「好奇心・粘り強さ・協同性・自己調整」等の非認知能力を育むとともに、幼児期の遊びが小学校以降の主体的・対話的で深い学びの「芽生え」となることを学びます。

また令和5年度からは「園小架け橋研修」を計画し、園小職員合同で年間4回実施しています。「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の理解と浸透を進めるとともに、幼児期の教育から小学校以降の教育のつながりを考えた中で、「資質・能力」「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の育ちが「つなぎ」となること、また、幼児期の「主体的・対話的で、深い学び」の視点や過程についても学ぶ機会となりました。園小の職員が共に、段階を踏んで研修を行うことで、より理解を深めることができます。また職員同士がコミュニケーションをとりながら研修することで、気軽に話をすることのできる関係づくりができ、接続・連携を進めることにつながります。

カリキュラム研修会

令和3年度研修の様子(詳細は、3年度幼保交流研修、小学校との合同研修に記載)

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令和4年度研修の様子(詳細は、4年度幼保交流研修、小学校との合同研修に記載)

園小架け橋研修   園小架け橋研修

令和5年度園小架け橋研修の様子(詳細は、5年度幼保交流研修 園小架け橋研修に記載)

3.園での活動を可視化し、小学校での学びに生かすカリキュラム作り

西脇市幼稚園・認定こども園・小学校接続カリキュラム調査研究委員会

国は、幼児期から児童期の発達を見通しつつ、5歳児のカリキュラムと小学校1年生のカリキュラムを一体的に捉え、地域の幼児教育と小学校教育の関係者が連携して、カリキュラム・教育方法の充実・改善にあたることを推進しています。そこで西脇市でも、令和4・5年度の2年間、上記の委員会を立ち上げ、園小接続カリキュラム(アプローチカリキュラム・スタートカリキュラム)策定に向けた取組を進めています。

令和5年度の委員会は、以下のような研究委員で成り立っています。

1.就学前教育・保育担当校長

2.認定こども園担当園長

3.中学校区代表小学校教諭(4名)

4.認定こども園保育教諭(8名)

さらに、兵庫教育大学鈴木正敏教授をアドバイザーにむかえ、委員会に参加・助言いただいています。

事務局は、教育委員会学校教育課(教育研究室)と幼保連携課(幼児教育センター)が連携し、2年間で8回の委員会を行う中でカリキュラムを検討・策定し、令和6年度から運用しています。

カリキュラム調査研究委員会  

また、令和6年度からは園小それぞれで求められる接続期における保育内容・教育内容の指導改善の方策を考案し、研究することにより、接続カリキュラムの運用・検証を通してさらなる指導の充実を図ることを目指し、引き続き認定こども園・小学校接続カリキュラム研究委員による研究を年2回行うことにしています。

カリキュラム調査委員会

 

この記事に関するお問い合わせ先

西脇市教育委員会 教育創造部 幼保連携課

電話:0795-22-3111(代表)
ファックス:0795-23-5219
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