令和3年度幼保交流研修会【保育士等キャリアアップ研修】

更新日:2022年03月05日

幼児教育研修

第1回幼児教育研修

日時

令和3年6月17日(木曜日)午前8時30分~午後5時15分

会場

どれみこども園

講師

大阪総合保育大学児童保育学部 瀧川光治教授

内容

公開保育

講義と演習

  • 幼児教育の意義・環境 
  • 幼児の発達に応じた保育内容や環境構成
  • 指導計画・記録及び評価、小学校との接続 

演題

子どものトキメキ、ヒラメキを生かした保育

公開保育の様子

doremi4saiasobi 1歳児遊びの様子

好きな遊びの様子(4歳児・1歳児)

1歳児スタンプ遊び 

スタンプ遊び「ペタペタ・ぽんぽんたのしいな」(1歳児)

2歳児保育の様子

あじさい作り(2歳児)

「くるくる丸めるの、おもしろい!」「次は、ピンクいろ」自分でお花紙の色を選び、丸める感触を楽しんでいました。  

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鬼ごっこ遊び(5歳児)

遊びの前に、前日の話し合った内容を思い出しながら、今日の鬼の人数やルールを相談します。人数を考えたり、作戦を立てたりする子どもたちの様子は真剣そのもの。

 

振り返りでは、楽しかったことや困ったこと、今日試してみたルールについて等を話し合い、次の目当てや遊びの意欲につなげていきます。

どれみ事後研修

公開保育後は、各担任から今日の保育に至るまでの子どもたちの様子や遊びの経過、保育を進めていく中で悩んだこと、これからどんなことにつなげていきたいか等を聞きました。

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瀧川先生から、保育活動の写真を見ながら、遊びの中で心動くワクワクとした体験によって育まれる心情・意欲・態度の芽生えや幼児期に育まれる10の姿、保育者に必要な支援や保育環境について等学びました。

意見交換の様子

遊びのコーナー1つにおいても、子どもの経験知をもとに子どもたちのトキメクような環境を考えて、一工夫することやアイテムを準備することで、子ども達の遊びが発展します。隣同士で、自分の保育を振り返りながら話し合うことで、保育の中で必要な視点や幼児理解を深めることができました。

 


 

第2回幼児教育研修

日時

令和3年8月5日(木曜日)午前8時30分~午後5時15分の予定を

11月4日(木曜日)午前8時30分~午後3時15分に変更

(うち第1回市内共通カリキュラム研修(入門編)は、

令和3年10月18日(月曜日)午後4時~午後5時30分にオンライン形式で開催 )

会場

芳田こども園

講師

大阪総合保育大学児童保育学部 瀧川光治教授

内容

公開保育

講義と演習

  • 幼児教育の意義
  • 幼児教育の環境
  • 幼児の発達に応じた保育内容
  • 小学校との接続

演題

子どものトキメキ、ヒラメキを生かした保育

公開保育の様子

《保育参観の前に》

各学年の月案と当日の指導案から、本日までの保育の過程と発達段階を見据えた子ども理解を学びました。保育参観の2つの視点は、以下の2つです。

  • 子どもの遊びにつながる環境構成
  • 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿につながる保育、10の姿を意識した保育
0、1歳児、2歳児クラスの遊びの様子
子どもたちが好きな遊びを自分で選び、十分に遊べるよう保育環境を工夫されていました。

サーキット      

くぐって、またいで、のりこえて・・・(サーキット遊び)  

0、1歳児は、サーキット遊びやままごと、ぽっとん落とし、自然物を使った楽器等自分のやりたい遊びのコーナーで、保育者と安心して遊んでいました。

お人形           1104houta2saiji

「一緒に、お昼寝しようね。」  自分のしたい遊びに夢中、何度もチャレンジ。

2歳児は、見立て遊び(イメージを膨らませる遊び)としてままごとやお母さんごっこ、ミニカー遊びと、多様な体の動きを楽しめるサーキット遊びのコーナーがあり、一人一人が存分に楽しめるように、おもちゃの数や配置、スペースを考えてありました。

3歳児、4歳児、5歳児 なかよしタイム(異年齢交流)

4・5歳児が縦割り班になり、サーキット遊び、秋の自然物を使った製作コーナーで相談しながら遊びを進めていきます。途中から3歳児を招待し、一緒に遊びを楽しみました。

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ハロウィンの製作遊びがおばけ迷路に。音が鳴ったりひっぱたりと工夫が一杯。修理する時も、相談、協力していました。

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秋の自然物が一杯入ったカラフルジュース、注文すると自動販売機から出てきます。

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サーキット遊びでは、4チームがいろいろな遊具を準備して体を使って楽しめるように考えています。マットとフープを合わせたゆらゆらコースターは一番人気です。

     アクセサリー作り 1104houta5saiji4

3歳児を招待する時間になりました。アクセサリーコーナーでは、自分でできるようにやり方を伝えたり、サーキットでは、手をつないで目線を合わせながら、やりたい場所を聞く姿が見られました。        

遊びの振り返りも4・5歳児合同です。楽しかったことや工夫したことを話し合いました。

全体会   瀧川先生

 

保育の振り返りでは担任の先生から、クラスの子ども達の現状や様子のお話を聞き、瀧川先生よりそれぞれの実情に合った指導助言をいただきました。また、午後からの研修では、子どものトキメキ、ヒラメキを生かした保育について、遊びの様子の動画を用いた読み取りを行い子ども理解や環境構成等を学びました。

 

 

 


 

第3回幼児教育研修(小学校との合同研修)

日時

令和3年8月30日(月曜日)午前10時~午前11時40分

会場

西脇市役所 3階 大会議室

講師

兵庫教育大学大学院学校教育研究科 鈴木正敏准教授

内容

講義

小学校との接続や連携(スタート・アプローチカリキュラムについて)

演題

~就学前教育・保育の充実を目指して~

幼児教育から小学校教育への円滑な接続

講義の様子

研修の様子1

緊急事態宣言のため、予定していたしばざくら幼稚園の公開保育は中止して、当日の保育写真や年齢ごとの遊びの経過のドキュメンテーションを見ながら講義を進めていきました。

3歳児の泥んこ遊びの事例では、バケツに水を汲み何度も築山に流しているうちに、タライの水が減る。保育者がすぐに水を足さずに見守っていると、これまでの生活の経験や遊びの積み重ねから小さいコップを使ってすくって入れたり、タライを斜めに傾けたりする姿が見られました。

研修の様子2

3歳児は、自分の好きな遊びを存分に楽しむ、4歳児は、色々な素材にふれながら、興味ある遊びをみんなと考えることを喜ぶ、5歳児は、子どもたちが一つの目標に向かって協同的に遊びを進め、小グループで試行錯誤・探求していく。

それぞれの発達段階に応じた主体的な遊びの積み重ねが『好奇心・粘り強さ・協同性・自己調整』といった社会情動的スキルを育み、小学校以降の対話的な活動や学習に向かう力となっていきます。1年生が0(ゼロ)からのスタートでなく就学前教育・保育施設で経験したことを生かして進めていくことがスタートカリキュラムであり、今後の西脇市の教育に必要で重要な取組であることを改めて学ぶことができました。

8月30日小学校との合同研修アンケート(PDFファイル:410.6KB)

 


 

第4回幼児教育研修

日時

令和3年10月25日(月曜日)午前8時30分~午後5時15分
(うち午後4時15分~午後5時15分 第2回市内共通カリキュラム研修(中級編))

会場

どれみこども園

講師

大阪総合保育大学児童保育学部 瀧川光治教授

内容

公開保育

講義と演習

  • 幼児教育の環境、幼児の発達に応じた保育内容、幼児教育の指導計画
  • 幼児教育の指導計画、記録及び評価
  • 幼児教育の意義、幼児教育の指導計画及び評価、小学校との接続

演題

子どものトキメキ、ヒラメキを生かした保育

公開保育の様子

0歳児、1歳児、2歳児クラスの遊びの様子
自分の好きな遊びや興味のあること、秋の自然物を取り入れた遊びや制作等を子どもたちが選んで遊びを進めていました。

  0saijiasobi    積み箱倒し

 ハイハイしたり歩いたり、自分で動けるようになってきた0歳児、広い空間で安全かつ自由に動けるように保育者が見守っています。 

保育者と一緒に積み木を積みあげていると、あれあれ倒れちゃった。もう1回、もう1回と繰り返し試して遊んでいました。 

 

seisaku  1saijiasobi

  

1歳児は、秋の自然物を使ったリース作り。

どんぐりやまつぼっくり、木の枝等を選んだり、感触を試したりする時間をたっぷりとりながら、作っていきます。遊びのコーナーには、どんぐりコースターも登場。転がしたり、ひろったり、音を確かめたり、思い思いに楽しんでいました。

 

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2歳児は、コーナー遊び。体を動かすサーキット遊び、ブロックやままごと・赤ちゃんのお世話ごっこ等で存分に遊んでいます。アンパンマンを背中におぶってお世話しながら、料理や洗濯に大忙しです。

 

3歳児、4歳児、5歳児 お店屋さんごっこの様子
各学年の普段の遊びや興味のあることを取り入れたお店屋さんが開店。異年齢の交流も多く見られました。

 

3saijiasobid 3saijiasobib 

3歳児は、ケーキ・ジュース・アイスやさん。味や種類を選べるようになっているので、 「どれがいいですか?」「このケーキください」 等自然とやり取りができていきます。

 

4saijiasobia   振り返り

4歳児は、パン屋さん。色々な種類のパンは、すべてオリジナル。家でお店に行った経験を伝え合ったり、イメージをイラストにしたり、子どもたちのアイデアと工夫がいっぱいです。振り返りでは、楽しかったこと困ったこと、明日はこんなことをしたい等、話し合っていました。

 

   5saijiasobie          もぐらたたき

5歳児は、ゲームやさん。ボーリング・もぐらたたき・がちゃがちゃ・マッサージ・雑貨屋さん等、4~5人のグループで遊びを進めていきました。遊びの前後には、話し合いと振り返り。自分たちが楽しめるとともに、3,4歳児さんも楽しめるように相談していました。

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お客さんの時には、自分とペアになった3歳児と一緒にお店をまわりました。荷物を入れてあげたり、行きたいところを聞いたり歩くペースに合わせたりしている姿も見られました。

 

事後研修の様子

6月に引き続いて2回目の公開保育ということもあり、担任からの発表では、子どもたちの発達段階に応じた支援、子どもたちが遊びを自分で選べる工夫や保育室の環境作り、自己発揮、気持ちを伝え合えるクラスになるための日々の取組等、保育の中で大切にしてきたことをたくさん聞くことができました。

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瀧川先生より、各年齢のポイント・キーワードをいただきました。

0,1歳児…満足(子どもたちの遊びのピークは山の波)

2歳児 …好きな遊びを選ぶ。(同時異活動)

3歳児 …個人差。一人一人が自分なりに楽しむ。

4歳児 …かかわる。一緒に。

5歳児 …協力、協同。(自分が誇らしく思う)

これらのポイント・キーワードを考えながら、公開保育までの日々の取組に対して、先生方の満足度を瀧川先生が尋ねられました。満足しているという先生方の返答に、子どもたちの笑顔・楽しさ・満足には、保育者の気持ちもとても大切であることを、瀧川先生が改めて伝えてくださいました。

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午後からの研修では、午前中の子どもたちの遊ぶ姿の写真や動画等を使い、具体的な姿から、子ども達のクリエイティブは発想を大切にした保育、経験知を基にしたごっこ遊び、支援を要する子にとって色々な所で自分の持ち味を生かせる場所等、様々なお話をしていただきました。

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カリキュラム研修では、今日の保育の写真を西脇市のカリキュラム冊子に載っている5領域と照らし合わせながら、参加者同士で話し合ったり考えたりしました。また、カリキュラム冊子の写真を自分達の園のものに差し替えることで、話し合いの場を持ち、保育の理解につながることを教えていただきました。

 

10月25日幼児教育分野受講者感想(PDFファイル:172.7KB)

 

保育実践研修

第1回保育実践研修

日時

令和3年6月4日(金曜日)午後1時40分~午後5時

会場

しばざくら幼稚園

講師

神戸常盤大学教育学部こども教育学科 多田琴子教授

演題

子どもの好奇心や探求心を誘発する環境構成

内容

保育における環境構成について

自己紹介

  1. 自分のクラスって…
    最初に、自己紹介をしました。そして、自分のクラスの子どもの様子を思い浮かべながら話したり、食べ物に例えたりしました。自分のクラスを見つめ直す、客観的・内面的理解につながりました。

    ミックスジュース・フルーツポンチ…いろいろな子がいてそれぞれの味がある。そして、混ざるとおいしい。
    焼き肉弁当…パワフルで、食べると元気になる。
    幕の内弁当…いろいろ少しずつおいしい。

    多田先生から、個性豊かな子ども達のよさを生かしたり広げたりしていき、仲間づくりに発展させていくことの大切さを教えていただきました。

意見交換会2

  1. グループ演習
    同じ年齢を担当する保育者が2人から4人のグループになり、自分の保育を振り返ったり、ステキ・マネしたい!というところ、良いなと思ったりしたところを話し合いました。

    同じ担当年齢の保育者が集まったことで、遊びの様子や事前資料からの質問等、たくさんの意見が出ていました。

    「事前資料の保育環境のネーミングを付け直すとしたら、グループで考えてみよう」では、年齢別のポイントを知った上で、改めてネーミングを付け直すことで、『子ども観・環境(教材)観・指導観(保育者の願い)』といった保育観の視点がもつことができました。

 

ただ先生のお話の様子

保育の中で、必要な資質や大切にしていきたいこと

  • 目指す子ども像と、好奇心と探求心
  • 自分の保育の良いところを、引き続き継続していく 『継承』
  • もっと良くするためにどうしたらいいか、方法・手立てを考える 『改善点』

 


 

第2回保育実践研修

日時

令和3年9月3日(金曜日)午後1時40分~午後5時

会場

市民交流施設 つながるスタジオ

講師

神戸常盤大学教育学部こども教育学科 多田琴子教授

演題

身体が!心が!動くから・・・

~ゆったり・身体が喜ぶ・真剣活動~

内容

身体を使った遊びについて

身体を使った遊びといえば、ゲームやルールのある運動遊びをイメージし、約束やルールを守ること、発達について注目・重視しがちです。今回は、身体を使った遊びについて3つのキーワードをおき、「心と身体は一体である」ことについて研修しました。

キーワードは以下の3つ

  1. ゆったり安心する
  2. 身体が喜ぶ(解放)
  3. 真剣に活動する

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  1. まず初めにストレッチをして身体を十分ににほぐしたり、隣の席の人とほめあいっこをしました。何でも認めるのではなく「ピントが合うこと」(相手の興味や大切にしていること)について受容することによって安心感につながり、身体も心も喜ぶ時間になることを体感しました。

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  1. 子ども達の心と身体が解放できる遊びについて、参加者一人ひとり事例を発表をしました。発表を聞いて”いいな”と思った所を付箋に書き、発表者に渡しました。

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  1. 付箋を見て、自分の保育を客観的に見ることができました。それをふまえ、改めて自分の保育について、ねらいと内容を考えました。多田先生と話をする中で、何を大切にして保育を進めていくかをふり返ることができました。

 

9月3日保育実践分野受講者感想(PDFファイル:276.5KB)

 


 

第3回保育実践研修

日時

令和3年11月9日(火曜日)午後1時40分~午後5時

会場

市民交流施設Orinas ひらめくスタジオ1

講師

神戸常盤大学教育学部こども教育学科 多田琴子教授

演題

子どもの発達に応じた援助(かかわり方)

~保育者の醸し出す雰囲気も保育環境~

内容

子どもとの関わり方について

1.自分のクラスって・・・(個々の理解と目指すクラスの姿)

最初に、自分のクラスを食べ物・動物や乗り物に例えました。(抜粋)

  • ポップコーン(元気で自由、刺激ではじける)
  • 自転車(いろいろな子が自分のペースで運転している)
  • びくびくうさぎ(耳がよい。誰かに見られるとドキドキ、でも1回経験するとパワフル)
  • 小鳥(ぴーちくぱーちく賑やか、でもしっかり意見が言える)

6月の第1回の研修でも、同じ質問をしましたが、個々への理解やクラス観がより明確になっていました。

2.事前資料から自分の保育観を析出

  • 子どもと向き合うときに大切にしていること
  • 自分の保育観

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3、目指す子ども像へ

1,2の発表を更に深める視点として、各年齢の発達段階の理解や10の姿へのつながり等を考察し、共有しました。(上記のホワイトボード)

クラスの姿や現状 → 目指すクラス → 園の目指す子ども像 → 教育・保育目標へ

自分の園の教育・保育目標を理解し、念頭に置いて保育を進めていくことが大切であることを学びました。

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4、ヒデュンカリキュラム(潜在的、見えないカリキュラム)の重要性について

カリキュラムには、顕在的と潜在的の2種類があります。

・顕在的側面(見えるもの):指導計画/具体的なねらいや内容/保育環境/反省と評価等

・潜在的側面(見えない):学級の雰囲気/保育者の言葉/クラス目標等

ヒデュンカリキュラムとは、クラスの雰囲気や価値意識、保育者と子どもの関係性、子ども同士の関係性等見えない保育観と言われています。

多田先生から、0~3歳児は自分らしさを十分に発揮できること、4・5歳児は自分らしさと友だちらしさを受容し認め合えること、目には見えないけれども、それは大切なことであるとメッセージをいただきました。人として、保育者として心にいつもとどめておきたい内容となりました。

 

11月9日保育実践分野受講者感想(PDFファイル:285.9KB)


 

第4回保育実践研修

日時

令和3年12月24日(金曜日)午後1時40分~午後5時

会場

茜が丘複合施設みらいえ

講師

神戸常盤大学教育学部こども教育学科 多田琴子教授

演題

子どもと共に創る表現遊び

内容

お話のもっている力について

子どもにとってのお話は、保護者や一般の方の認識として捉えがちな、言語習得や文字への意識づけではありません。母語の獲得、未知との遭遇、考えたりイメージする力との出会い、言葉のリズム等、本当に様々です。

《絵本やお話のもつ力》には、絵や色づかい・言葉のリズム・空間(文字や絵の配置)からのイメージ力・言葉や絵から浮かぶ想像力、そして、読み手や作者の意図等、大きなメッセージがこめられています。

そのメッセージは、劇遊び発表会で選ぶ絵本やお話(創作の物語を含めた)にもつながっていきます。

話の様子

発表会の意義について~グループワークで語り合う~

低年齢児担当と幼児担当に分かれ、発表会について「楽しい」「困った」「悩んでいます」等、出し合いました。

多田先生から、発表会の意義について以下のポイントを教えていただきました。

・子どもにとって、学年の締めくくり

・発表会をとおして、何が育ってほしいのか。(目指す子ども像)

・クラスの特性と良さが発揮できるのは、どんなストーリーや内容か。

・1年間で身につけた心情・意欲・態度。

 できるようになったこと、わかったこと、考えたこと(知・徳・体)

グループワーク1   グループワーク2

話し合いをした後に、発表会の意義を聞きました。

2歳児…こんなことができるよ。ドキドキするけど、見てほしいという期待感。

3歳児…当日までの過程が大切。自立心。自分で!

4歳児…友だちと一緒に協力する。仲間意識。

5歳児…自己発揮。友だちと目標に向かう力。達成感やより高い目標。

自分の悩みや現状を伝え、他の先生と一緒に考えたり、他園の様子や方法を聞いたり、多田先生からもアドバイスをいただいたりすることで、新たな発想につながりました。

最後に、発表会は成功体験とともに、時にはできなかったという失敗体験も必要であること。特に5歳児は、困難なことを乗り越える経験、乗り越えられなくても困難を共有し一緒に考えたという経験、折り合いをつけた、納得したという経験が、本当に大切であることを伝えてくださいました。

 

12月24日保育実践分野受講者感想(PDFファイル:126.6KB)


 

第5回保育実践研修

日時

令和4年1月7日(金曜日)午後1時40分~午後5時

会場

しばざくら幼稚園

講師

西脇市立しばざくら幼稚園  橋本恭代園長

演題

子ども達のイメージがわきやすい道具作りについて

内容

他己紹介をしよう

最初に、橋本園長からの自己紹介、そして、隣の人とペアになり相手のことを紹介する他己紹介をしました。5回目の研修ということもあり、どのペアも相手のことに興味をもちながら笑顔で頷いたり、共感の言葉をかけながら、和やかな雰囲気で話を進め、盛り上がっていました。《子どもや相手のことに興味や関心をもつ》《笑顔でかかわる》《共感する》ことが、柔らかいクラスの雰囲気や笑顔の源となることを実感しました。

園長先生の話の様子   他己紹介

次に、想像、創造するという視点から、『新聞紙』というテーマで、どんな遊びに発展しそうか意見を出し合いました。子どもたちがどんなことを楽しむか、喜ぶか、どんな風に発展しそうか、工夫しそうか等、イメージしながら考えていきました。

 

作ってみよう!試してみよう!何度もやってみよう!

子どもたちが楽しむには、まずは先生から…。

 

コップのような入れ物と糸をひっつけると、動物の鳴き声のような不思議な音が鳴ります。自分たちでも試してみよう!

コップの素材や大きさ、形の違い(紙・プラスチック、かき氷コップ、ゼリーカップ、フィルムケース等)

糸の種類や長さや太さ(毛糸、タコ糸、釣り糸、縫い糸、スズランテープ等)

貼り方やつけ方(穴をあけてくくる、セロハンテープで外側に・内側に・中央につける等)

 

実際に作ってみると、いろいろな音が出て、どんどん試したくなりました。「それ、いいね!」「どうやってするの?」「私もしてみよう」等と遊びが広がっていきました。大人も子どもも、様々な素材や材料を、いつでも何度でも試せるような環境が、ワクワクを生み出すことにつながるということを再確認しました。

0107hoikujissenn2 こま作り

橋本園長から、環境を整える時、次の要素が大切だと教えていただきました。

・何度も作れる。(何度も挑戦できる)

・工夫できる。

・失敗しても、やり直せる。

・友だちと一緒に遊べる。

一つの方法、一つの遊びは、すぐに飽きてしまって長続きしないという話にも、「その通りだな」と共感・納得されている先生も多かったです。

「これおもしろいな」「園でもやってみよう」「子どもたちが喜んでくれそうだ」「発表会でも、使いたいな」等、子どもたちの様子を思い浮かべながら一生懸命取り組む先生方にとって、保育の技術だけでなく心も満タンになった研修となりました。


 

乳児保育研修(西脇市保育協会委託)

第1回乳児保育研修(リモート研修)

日時

令和3年5月15日(土曜日)午前10時~午後4時20分

会場

メイン会場:西脇こども園
サテライト会場:市内こども園

講師

武庫川女子大学教育学部教育学科 大和晴行講師

演題

乳幼児期の生活・遊びの課題を踏まえた乳児保育のあり方

内容

5つある内容の中の4項目を学びました。

  • 乳児保育の意義
  • 乳児保育の環境
  • 乳児への適切な関わり
  • 乳児の発達に応じた保育内容

研修の様子

各リモート会場と接続している様子

メイン会場とサテライト会場をリモートでつなぎ、密を避け、換気を徹底して行いました。

 

資料を見ながら研修する様子

乳幼児の睡眠について

 日本は世界的に見ても子ども遅寝大国(平均就寝時間:午後9時30分)で、乳幼児は11時間から13時間の睡眠が必要だそうです。十分な睡眠をとることで、朝から昼にかけて体温が上昇し、ハッピーホルモン(コルチゾール)が増えます。また、早く寝ることにより、身体の成長に必要なメラトニンが分泌されます。早寝早起きの大切さについて、改めて学ぶことができました。また、早寝早起きがなかなか難しい子に対して、朝に体を動かす機会があると体温を上昇させることができる、白湯を飲ませることで体の中から温めることができる等、園でできる支援方法も具体的に教えていただきました。

 

子どもの姿勢について話を聞いている様子

子どもの姿勢について

 よい姿勢のためには、骨盤や肩と太ももの裏の筋肉を育てることが必要です。ハイハイは肩と太ももを育てる運動として姿勢の土台を作る重要な運動であり、更にぶら下がる、引っ張る、登る、投げる、走る、跳ぶ等の運動を繰り返し行える機会を乳児期に保障することが大切だと学びました。

 

指先の神経の発達によって鉛筆の持ち方等も違うというお話

手指について

 手指の器用さには、さまざまな経験が影響します。自然の中で生き物や草花にそっと触れる経験は、ブロックのような固いおもちゃで遊ぶ時には得られない力の加減と親指の発達につながります。また、生活の中で、自分のことを少しずつ自分で行っていくこと、両手を使って遊ぶこと、ぶら下がる、引っ張る、握る、登る等の経験が、5指全てを使ったり、コントロールしたりする力につながることを学びました。

 

しつけ箸について

 しつけ箸を使用されている家庭の多くは、2歳から3歳に使用され始めますが、子どもの成長に合っていないため、指先の筋力が弱くなり、筆圧の弱さに影響する恐れがあるそうです。

 


 

第2回乳児保育研修(リモート研修)

日時

令和3年10月23日(土曜日)午前9時~午後3時10分

会場

メイン会場:西脇こども園
サテライト会場:市内こども園

講師

武庫川女子大学教育学部教育学科 大和晴行講師

演題

乳幼児期の生活・遊びの課題を踏まえた乳児保育のあり方

内容

5つある内容の中の4項目を学びました。

・乳児保育の環境について

・乳児への適切な関わりについて

・乳児の発達に応じた保育内容について

・乳児保育の指導計画、記録及び評価について

研修の様子

1、乳幼児期の遊びおよび生活の状況(傾向)

自立の標準年齢の変化

《遊びの状況》

増・・・イメージの中で遊び、一人でも遊べる遊具。

減・・・集団で群れて遊ぶ経験。ものを操作する遊び。

家庭アンケートで現状を知り、少ない遊びやあまりしていない生活習慣を園の遊びにあえて取り入れる必要がある時代。

例:靴を自分で履く、果物の皮をむく、楽器や物をたたく、自然物で遊ぶ、虫を捕まえる、砂場遊び(しゃがみながら遊ぶ) 等

《生活の状況》

自立が早い・・・挨拶・着脱衣・歯磨き等文化的・衛生的側面

自立が遅い・・・排泄、食事・箸、昼寝等生理的機能のコントロール

排泄の自立には、子どもからの2つのサインが大切です。まずは「出たよ」という事後通告、そして「出そう」という予告。園だけでなく、家庭と共有、連携を図るとより効果的です。

 

2、乳幼児期の課題を踏まえた乳児保育のあり方~体力・運動面~

全力で

《体力・運動能力の観点から》

  • 走る、跳ぶ、投げる、体感を維持する等、子どもの体の動きの発達は2年遅れている(5歳⇒3歳)遊びや生活状況の変化の影響による経験の少なさもある。
  • いろいろな体の動きを、その子なりの全力パワーで行う経験が大切である。
  • 1歳頃から全身を使った粗大運動や力を出す経験、2歳頃からの様々な身のこなしの経験が今後の運動能力の土台となる。

《84種類の基本的動作》

3つのカテゴリーと8つの動作内容。具体的な動作なので確認しやすい。

1.安定性・・・姿勢変化平衡動作(立つ、起きる、寝転ぶ、まわる、転がる、ぶら下がる等)

2.移動動作・・・上下動作(のぼる、とびあがる、降りる、滑る等)

          水平動作(はう、スキップ、歩く、追いかける、とぶ等)

          回避動作(かわす、かくれる、もぐる、逃げ回る等)

3.操作動作・・・荷重動作(かつぐ、運ぶ、ひっぱる、押す、おぶさる、つきおとす等)

          脱荷重動作(おろす、おりる、もたれる等)

          捕捉動作(つかむ、あてる、いれる、掘る、ころがす、うけとめる、積む等)

          攻撃的動作(たたく、わる、しばる、ける、ひっぱる、ぶつかる等)

子どもたちの生活や遊びに荷重動作と攻撃的動作が少なく、安全な保育環境のもと経験させることも大切であるということも学びました。

 

3、乳幼児期の課題を踏まえた乳児保育のあり方~脳の働きの視点~

前頭葉

脳の活動は、興奮(アクセル)と抑制(ブレーキ)から成り立ちます。

《前頭葉の5つのタイプ》

1、不活発(そわそわ)型・・・幼児脳で、興奮も抑制も育っていない。

2、興奮型・・・興奮優位

3、抑制型・・・抑制優位

4、おっとり型・・・どちらも育っているが、切り替えが下手

5、活発型・・・大人脳、どちらも育っているし、切り替えも上手

そわそわ型(幼児脳)から興奮型へ、興奮型から活発型(大人脳)へ成長していく。抑制が育つには興奮を経験しておかないといけないということを学びました。

 

保育所保育指針改訂のポイントや指導計画についても、子どもたちの遊びや生活の状況、体力や運動能力、脳の働き等を学んだことにより、より具体的にとらえることができました。

 

 


 

10月23日乳児保育分野受講者感想(抜粋)(PDFファイル:196.6KB)

第3回乳児保育研修(リモート研修)

日時

令和3年11月13日(土曜日)午前9時~午後3時10分

会場

メイン会場:西脇こども園
サテライト会場:市内こども園

講師

姫路日ノ本短期大学幼児教育科 中重直俊准教授

美作短期大学 カルマール良子准教授

演題

乳児保育の環境

乳児の生活と保育内容

内容

5つある内容の中の3項目を学びました。

・乳児保育の意義について

・乳児保育の環境について

・乳児への適切な関わりについて

研修の様子

3歳未満児における安全な環境

健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境として、まず子どもの事故・危険について学びました。

リスクは…子どもが認識しチャレンジできる危険

ハザード…子どもが予測できない危険

保育者が、リスクとハザードに対して危機意識(自己感知力と注意力)をしっかりもつことが、園での事故への予防にもつながることを知りました。

研修

たとえ事故の予防をしていても、怪我がおこることがあります。その時、大切な2つの対応について再確認しました。

1.子どもへの対応

 怪我の処置と心のケア。痛い・こわい・びっくりした等の、感情を十分に受け止めて、安定できるようにかかわっていくこと

2.保護者への対応

 謝罪、状況を把握しきちんと説明をする。保護者の立場にたって、当たり前のことを丁寧に行うこと

遊びの環境と保育者の意識

子どもが自発的・意欲的にかかわることができるような環境作りについて、次のことを学びました。

8つの環境の要素《自然、人(仲間)、物、空間、時間、情報(刺激)、動線、湿度・気温》と保育者の《子ども観》《遊び観》《保育観》のバランスが大切であること

更に、特に3歳未満児の環境では、以下の3点への配慮も必要です。

1.子どもの興味や関心に合わせること、引き出すこと

2.子供の成長や発達に合わせること

3.季節によって調整すること

QRコード等

保育の質を向上するには、《自分の得意を活かすこと》《保育者同士で保育の話をすること》《子どもをよく観察すること》《自発的に選べる環境を作ること》《子どもの様子から「今だ!」のタイミングを図ること》が大切であること、保育者のニッチピッキング(適所選択)が必要であること等、教えていただきました。

QRコードを活用した問題やアンケートに答えることで、会場の離れた参加者とも意見を共有することができ、楽しい研修となりました。

乳児の生活と保育内容

午後からのカルマール先生の研修では、乳児期におけるアタッチメント(愛着)の重要性、育児担当制への理解、一人一人の生活リズムを考えた睡眠・食事・遊びや活動、乳児の運動発達の道すじを学びました。

スプーン実践  

運動発達の道すじについて、能動的姿勢(寝返り、うつ伏せ姿勢、はいはい)の大切さと、発達の順序を抜かさず、急がせないこと。特に、育児用品(乳児用椅子、歩行器、ベビーソファー等)を早い段階に使用して、運動の発達過程より早くに座らせたり歩かせたりしようとすると、子どもの足や腰に負担がかかる場合もあり、園から保護者へ情報提供や啓発を促してほしいことも伝えられました。

 みんなで実践

演習では、発達段階に応じた食事援助として、実際にゼリーを食べました。カルマール先生から、食事中の子どもの気持ちを共感できるための配慮やポイントをいくつも教えていただきながら実演することができました。

わらべうた

研修の最後には、ハンカチを使ったわらべうたを一緒に歌いました。明日からの保育に取り入れたいという声を聞くことができました。


11月13日乳児保育分野受講者感想(抜粋)(PDFファイル:168.1KB)

特別支援学習会

第1回特別支援学習会

日時

令和3年6月24日(木曜日)午後3時~午後5時

会場

西脇市役所 3階 大会議室

講師

兵庫県立北はりま特別支援学校 特別支援教育コーディネーター 閑念勝代教諭

演題

「就学に向けた支援」

子どもたちの特性理解と切れ目のない支援

内容

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この研修では、こども園・幼稚園・小学校の関係の他に、サポートファイル担当課、教育支援票担当課、乳幼児健診等担当課、子育て支援員等幼児・児童に携わる市役所の関係課の職員が参加しました。

就学に向けた支援サポートについて以下のことを学びました。

  1. 特別支援学校のセンター的機能
    関係機関との連携・情報の共有や役割分担について
  2. サポートファイルの活用
    関係者が一貫した支援をするための情報共有のツール
    子どもの発達の様子を記録する(チームで誰が見てもわかりやすいように作成)
  3. 発達特性の理解(発達の多様化)
    発達障害とは
    各年齢での表れ方の例
    愛着障害について
    合理的配慮
  4. 自己理解と他者理解のために
    マズローの欲求5段階について
    (1.生理的欲求 2.安全の欲求 3.社会的欲求 4.承認欲求 5.自己実現の欲求)

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上記のことを学んだ後に、活動の切り替えができにくい幼児や、クラス活動に入りにくい幼児について、実際の事例をあげながらグループワークをしました。各グループの話し合った事例が共有できるように電子黒板も活用しました。

最後に閑念先生から支援していく上で大切なことを教えていただきました。

  1. できない、分からない原因や課題を明確にする「アセスメント」(実態把握)
  2. 校内(園内)での連携、外部との協力体制
  3. 意欲や将来の見通しをもたせる支援

 失敗した時の立ち直り経験への手立て

第2回特別支援学習会

日時

令和3年9月16日(木曜日)午後3時~午後5時

会場

茜が丘複合施設みらいえ

講師

言語聴覚士 上田月美先生

演題

「ことばの発達を知って支援に生かす」

内容

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この研修では、園・小学校関係、相談支援関係の方々の他、健康課、こども福祉課、こどもプラザ等、幼児・児童に携わる市役所の関係課の職員が参加しました。

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ことばの発達を知って支援に生かすということについて以下のことを学びました。

1.発音(構音)の獲得

 発音(構音)について・・・ 構音か音韻認識の問題か、それとも両方の問題かを見分ける。

 発音(構音)の習得の順序・・・一度に発音を習得できない。(あいうえお順でない)個人差がある。

 構音と口腔内との関係・・・幼児の口の大きさは大人の半分程度、成長とともに発音できる音が増える。口周りの遊び(吹く、吸う)や舌を使う行為(スプーン使い、舐める、よく噛む)が大切。

 

2.ことばを聞き、覚え、使っていくための音韻認識

 音韻認識の発達・・・音への関心

 音韻意識を育てる・・・ことば遊び、しりとり、ことば集め 等

 

3.ことばの発達を知る

 ことばの発達の道すじで大切な4つのポイント

  • 心の交流(ことばの前のコミュニケーション)
  • 言語が表出(要求や自己主張)
  • 2語文(表出の前には理解あり)
  • 3語文(文と助詞)       

 

4.子どものことばを育てるとは

  •  ことばを育てるということは、子どもに「手間」をかけること
  • 子どもにたくさん経験を積ませる「手間」

  親や大人と一緒にいて言葉も育つ。子供が興味関心を向けているものに、大人ものることで言葉が広がりを見せる。また、子どもとの会話を弾ませるには、質問の仕方や会話の方法も大切であること等、事前質問に応じながら具体的に助言いただきました。

 

5.吃音について

人口の1パーセントの人に吃音があると言われています。どもり始めた子どものうち、約7割は成長とともに、すらすらと話せるようになると言われています。

最後に、上田先生より、吃音の子に対して周りの環境やかかわり方がとても重要であることを伝えていただきました。

 

この記事に関するお問い合わせ先

西脇市教育委員会 教育創造部 幼保連携課(幼児教育センター)

〒677-0052
西脇市和田町688-47(旧しばざくら幼稚園内)
​​​​​​​電話:0795-22-2432
ファックス:0795-22-3156​​​​​​​
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