平成29年度(2017年度)
3月のおすすめ本
『ロバのシルベスターとまほうのこいし』
ウィリアム・スタイグ/作・絵 せたていじ/訳
評論社/出版
ロバのシルベスターの楽しみは小石を集めることでした。ある日、シルベスターは願ったことが何でもかなう魔法の小石を見つけます。大喜びで家に帰りますが、その途中ライオンに出くわします。慌てたシルベスターは「ぼくは岩になりたい」と願い、岩になってしまいます。家に帰れなくなったシルベスターは元に戻る方法をあれこれ考えますが、奇跡でも起こらない限り無理でしょう。途方に暮れて切ない日々を送ることに。家ではシルベスターの両親が、突然戻らなくなった息子のことを心配してあちこち探しに出掛けますが、見つけることができません。両親はすっかり元気をなくし、悲しみに暮れてしまいます。無情にも時は流れていきますが、最後に奇跡が―。
2月のおすすめ本
『わかったさんのふんわりケーキ』
寺村輝夫/原文 永井郁子/企画・構成・絵
あかね書房/出版
昨年、わかったさんが出てくるお話「わかったさんのおかしシリーズ」が、生誕30周年を迎えました。これを記念し、このたびシリーズの新刊本が発売されました。このロングセラーストーリーを親子で読まれている方も多いのではないでしょうか。
クリーニング屋の娘、わかったさん。毎回配達に行った先々で、不思議な出来事に巻き込まれます。そこで出会う人々にヒントをもらいながら、一つのお菓子を完成させるお話です。本書はレシピ本で、シリーズに出てくるお菓子はもちろん、ワクワクする新しいレシピが掲載されています。
1月のおすすめ本
『カラヴァル 深紅色の少女』
ステファニー・ガーバー/著 西本かおる/訳
キノブックス/出版
「カラヴァル」とは年に一度、レジェンド(ゲームマスター)が持つ島で開催される魔法に満ちた魅惑的なゲーム。今年の勝者は一つだけ願いをかなえてもらえるといいます。
伯爵と政略結婚をさせられる直前に、カラヴァルからの招待状を受け取ったスカーレット。住んでいる島を抜け出し会場に着いた途端、妹とはぐれてしまいます。不思議なことばかりが起こる魔法の世界で、妹を救い出すための冒険が始まります。なぜカラヴァルに招待されたのか?恋に翻弄されながらも、真実を求めて成長するファンタジー。スカーレットと共に胸ときめくハラハラ、ワクワクの冒険をたっぷり味わってみては?
12月のおすすめ本
『あるかしら書店』
ヨシタケシンスケ/著
ポプラ社/出版
「本にまつわる本」を扱っている『あるかしら書店』。お客さんに「〇〇についての本ってあるかしら?」と尋ねられて、店のおじさんはさまざまな本を紹介していきます。ちょっと珍しい「『作家の木』の育て方」や本にまつわる名所「水中図書館」などなど。ページを開くたびにクスッと笑ってしまい、「その本ほしい!」と思う本に出会います。(実際にはありませんが…)。
一方で本への願いや読書を楽しんでほしい著者の思いが最後まであふれています。最高に楽しい妄想書店のおはなしです。
すみずみまで読んでみてください。
11月のおすすめ本
『ぼくの名はチェット』
スペンサー・クイン/作 古草秀子/訳
東京創元社/出版
語り手は私立探偵のバーニーの相棒チェット。
ある日、バーニーは行方不明になった女子高生マディソンの捜索を依頼されます。チェットは犬なので、記憶も長続きしないし、人間の複雑な会話は理解できません。重要な話の途中でも興味をひかれるものがあれば、気を取られて思わず吠えたり、食べこぼしがあれば、集中してやっていたことも吹き飛ばして拾い食いに走ったりします。
チェットはあくまでも犬の視点や心ですべてを語るので、ピンチに陥ったり事件の核心に迫っても、バーニーに伝えることができません。“ドキドキハラハラ”や“もどかしい思い”をしながら物語に引き込まれていきます。
10月のおすすめ本
『ホラーめし ハロウィン ヴィジュアル レシピブック』
主婦の友社/出版
10月31日は「ハロウィン」。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い払う古代ケルト人の宗教的な行事でした。現代では宗教的な要素はほとんどなく、魔女やお化けに仮装して楽しむ秋の一大イベントとなり、日本でもクリスマス同様にすっかり定着した行事となりました。
10月に入ると各地でハロウィンに関するイベントが開催され、最近では自宅でホームパーティーを楽しむ家庭も多くなっています。
おもてなしの料理のレシピ本は数あれど、見た目も味もインパクトのある「ホラーめし」はいかがですか。楽しいハロウィンパーティーになること間違いなしですよ♪
9月のおすすめ本
『隠蔽捜査』
今野敏/作
新潮文庫/出版
主人公竜崎伸也は警視庁に勤めるキャリア官僚。妻には「子どものことはおまえに任せてある。俺は国を守る。」の一点張り。有名私立大学に合格した息子には入学を認めず、浪人することを勧めます。竜崎にとって東大以外は大学ではないのです。
ある日、妻から「息子がタバコを吸っているみたい。」と相談された竜崎。渋々息子の様子を見てみると、確かに手にしていたのはタバコ。しかし臭いが明らかに違い、白い粉が入ったケースが…。竜崎はあまりのショックにただぼうぜんとするしかありません。一見、ただの嫌味なエリートかと思いきやこの男、実は本気で国家のことを考え、命を懸けているのです。いったいどんな方法でこの危機を乗り越えるのか。
警察小説の歴史を変える新しいヒーローの誕生です。
8月のおすすめ本
『時の旅人』
アリソン・アトリー/作 松野正子/訳
岩波書店/出版
扉を通って過去へ行くことができたらどんなにいいでしょう。
主人公ペネロピーは病気療養のために姉兄とともに、イングランド中部ダービシャー地方にある大叔母のティッシーとその兄が住む農園を訪れます。ペネロピーはそこで、かつてこの地で生活していたバビントン家の人々と350年の時を越えて交流するようになります。そして、大叔母ティッシーからバビントン事件を聞かされます。ペネロピーは、悲劇の結末を知りつつも過去の時代の人々と関わり、喜びや悲しみをともにし、また淡い恋をしますが…
「今」と「昔」を旅するペネロピーと一緒に、あなたも「時の旅人」になってみませんか。
7月のおすすめ本
『星座の見つけ方と神話がわかる星空図鑑』
永田美絵/著
成美堂出版/出版
占いなどで身近な“星座”。自分の星座がどんな形をしているのか、どんな物語を持っているのか知っていますか。
この本では、イラストと写真でとてもわかりやすく星座を解説しています。それぞれの星座の神話はもちろん、季節ごとの星座の探し方も丁寧に書かれています。
今年の夏は、7月にみずがめ座(デルタ)南流星群、8月にペルセウス座流星群が極大になるそうです。
忙しい毎日の中、この本を片手にゆっくり夜空を見上げてみませんか。
6月のおすすめ本
『九十歳。何がめでたい』
佐藤愛子/著
小学館/出版
大正12年生まれ、25歳から小説を書き、最後の長編小説を書き上げたのは88歳のときだそうです。
仕事を辞め、「のんびり」と過ごすつもりが、誰とも話さない、笑うこともなく過ごす日が増え、「うつ病になりかけているんじゃないかしら」と思っていたところ、週刊誌への連載の仕事がやってきました。連載物を書くためには、力をふるい起こさなくてはならず、やけくそで書かれたのがこのエッセーです。
今年94歳になる愛子さんですが、老いを感じさせないパワフルな文章で日々の生活のことを面白く書いています。
「九十歳」のエッセー、いかがでしょうか。
5月のおすすめ本
『ヒストリア北播ゆかりの人びと』
脇坂俊夫/著
脇坂文庫/出版
著者は学校で教壇に立つ傍ら、北播地域の歴史を研究してきました。また、定年退職後には西脇市郷土資料館に勤務し、郷土史の研究に大きな成果を残しました。
本書は、長年の研究の中で発見した多くの資料を基に、北播にゆかりのある人々20名あまりを紹介しています。
例えば、播州織の播州織の礎を築いた人や命を懸けて地域を救った人など。みな、北播の地に大きく貢献した人々です。
年月が経つにつれ、地域の人びとの記憶から遠のいている郷土ゆかりの人びとに、あらためて焦点が当てられた内容で、感銘を覚える1冊です。
私たちのふるさとについて、学んでみませんか。
4月のおすすめ本
『しりたがりやのこぶたくん』
ジーン・バン・ルーワン/作 アーノルド・ローベル/絵 三木卓/訳
童話館/出版
「かあさん、なにしてるの?」「おせんたくもの ほすところ」「ぼくおてつだいする」と…。どこの家庭でもあるやりとりですが、お手伝いのつもりが洗濯も掃除もひっくり返され、邪魔されて二度手間に。
にぎやかな毎日から、ほんの一瞬だけ一人きりになってみたいかあさんぶたの、現実瞬間逃避をさらりと描いた「ひとりでいたいの」という話。たくさん聞きたいことがあるこぶたくんと、とうさんのあたたかく優しいやりとりが「ききたいこと」に。
そんな一家の何気ない日々を描いた、温かく、ユーモアたっぷりのお話が全部で5編入っています。
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更新日:2018年04月10日