令和2年度(2020年度)
広報にしわきの茜が丘複合施設「Miraie」ページに掲載したおすすめ本をご紹介します。
3月おすすめ本
『美しき小さな雑草の花図鑑』『もっと美しき小さな雑草の花図鑑』
多田多恵子/文 大作晃一/写真
山と渓谷社/出版
「雑草」というと、どんなことを思い浮かべますか。「強い」「たくましい」・・・。ページいっぱいに拡大された数ミリから数センチの野に咲く小さな花。あの雑草が実はこんな姿だったとは。実物の花を見たときの印象が変わるかもしれません。
吹き出しの解説にも注目です。著者は優しくフレンドリーな口調で人気の植物学者・多田多恵子さん。散歩に持っていけるサイズの小さな美しい図鑑です。
2月のおすすめ本
『おとなになるのび太たちへ』
藤子・F・不二雄/漫画
小学館/出版
小学館の学年誌の連載漫画として登場した「ドラえもん」。誕生から50年がたった今も変わらず、漫画やアニメで愛されています。この本では、そんな「ドラえもん」についてさまざまなジャンルで活躍する10人の大人が作品1話を選び、その思い出を語ります。
eスポーツプレイヤーの梅原大吾さんが選んだのは『あやとり世界』。昔はゲームばかりしていると怒られていたのに、今では称賛される。「諦めることにメリットはない。周りが何を言おうと、やり続けよう」と語っています。大人になる“のび太たち”へ思いを伝えるメッセージ集にもなっています。
1月のおすすめ本
『雪の写真家 ベントレー』
ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン/作
メアリー・アゼアリアン/絵 千葉茂樹/訳
BL出版/出版
ウィリー・ベントレーは自然観察が好きな男の子でした。雪の美しさに魅せられたベントレーは顕微鏡付きカメラを買ってもらい、雪の研究と結晶の写真撮影にのめり込みます。いい写真が20~30枚しか撮れない年もあれば、2日間で100枚も撮影できたときもありました。撮影の中で得た雪の結晶の研究は、やがて学会にも認められるようになります。一方、ベントレーは生涯を独身で過ごし、雪の写真は人にあげたり誕生日には特別な写真をプレゼントしたりしていました。多くの人に雪に親しんでもらおうとしたベントレーの伝記絵本。今年の冬は、雪の結晶を眺めませんか。
12月のおすすめ本
『同姓同名』
下村敦史/著
幻冬舎/出版
日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人の名は「大山正紀」。報道後、殺人犯と同姓同名となった者たちの生活は一変します。7年後、刑期を終え大山正紀が戻ってきたとき、社会は再び混乱します。過熱する犯人批判、暴走する正義、炎上するSNS。犯人に名前を奪われ、人生を汚された大山正紀たちは「“大山正紀”同姓同名被害者の会」に集い、犯人を探し出そうとします。
登場人物は全員が同姓同名で、読者を翻弄しながら衝撃の事実にたどり着く物語。SNSによる心無い言葉の暴力によって命を落とす事件が後を絶たない昨今に、誰もが加害者にも被害者にもなり得ることを突き付け、考えさせる作品です。
11月のおすすめ本
『ふくろ小路一番地』
イーヴ・ガーネット/作
岩波書店/出版
ふくろ小路一番地に暮らすラッグルス家は、洗濯屋のおかみさんとごみの収集をしている旦那さん、それから7人の子どもの大家族です。
長女のリリー・ローズはアイロンがけを手伝おうとして、お客さんの大切なコートを縮ませてしまったり、次女のケートは新品の帽子を海に流してしまったり、三男のジョーはお金がないのに映画館に忍び込んだり・・・。ラッグルス家の子どもたちはいつも何かしら騒動を起こしてしまうのですが、周りの大人たちの対応が何ともすてきなのです。秋の夜長、読後に笑顔になれる児童書はいかがでしょうか。
10月おすすめ本
『月とこよみの本』
林完次/監修・写真
宝島社/出版
月は29.5日で新月から満月、満月から新月へと変化します。この月のサイクルを組み入れ、「こよみ」が生まれたそうです。月とこよみの関係や月の満ち欠け、潮の満ち引きなど、この本では月にまつわることが書かれています。
月の満ち欠けには、「上弦の月」や「十六夜」といった特別な名前があることのほか、太陽と月と地球の位置関係をイラストで分かりやすく説明しています。
今年10月1日は「中秋の名月」。そして、10月2日は満月だそうです。この本を片手に、空を見上げてみませんか。
9月のおすすめ本
『銭湯図解』
塩谷歩波/著
中央公論新社/出版
心身ともに病み、休職していた著者を救ってくれた銭湯。現在では転職し、銭湯の番頭として働く彼女が、そんな銭湯の魅力を余すことなく伝えてくれる1冊です。開放的な空間とそこでの人々との出会いが、細かに描かれた銭湯内部の図解で表現されています。東京を中心に全24か所の銭湯が描かれ、それぞれの銭湯の魅力が事細かに記述されています。この本を読むと銭湯に行ってみたくなること間違いなしです。
8月のおすすめ本
『百年の孤独』
ガルシア=マルケス/原作
新潮社/出版
架空の町マコンドを舞台に、町を創設したブエンディア一族の100年を描いています。幽霊や予言、空を飛ぶ絨毯、蔓延する不眠症、飲み物による空中浮遊、シーツとともに空に消えていった美少女などの「幻想」が紛争やバナナ農園の労働者のストライキといった「現実」と融合し物語は進んでいきます。
暑い夏にこそ熱帯のむせかえるような空気を感じながらじっくり読みたくなる1冊です。
7月のおすすめ本
『はじめてのオーケストラ』
佐渡裕/原作 はたこうしろう/絵
小学館/出版
きょうは待ちに待った特別な日です。みーちゃんは小学1年生。生まれて初めてオーケストラのコンサートへ出掛けます。そこで出会った音楽は・・・。
ページをめくるたび、明るく美しい色彩と動きのあるタッチで描かれたファンタジックな絵が現れ、音楽の魅力を十分に伝えてくれます。
演奏を聴き終えたみーちゃんはとっても満足そう。さぁ、あなたも一緒にコンサート気分を味わってみませんか。この絵本は、世界的指揮者・佐渡裕さん原作で、佐渡さんの娘が初めてコンサートへ行ったときのことがもとになっています。
6月のおすすめ本
『和菓子』
中村肇/著
河出書房新社/出版
和菓子はその色彩、造形的な工夫やそれぞれに付けられた菓子の名前など、どこをとっても「美」への思いが凝縮されています。
この本では200種類以上の京都の和菓子を四季折々の花、風景、行事とともに紹介し、また、お菓子や季節に合った日本の歳時記も掲載しています。まず、何より写真で紹介された美しい和菓子を、「目」で堪能してください。思わず手に取って食べたくなります。説明には英語併記がされているため、海外の方に日本の伝統的なお菓子を紹介するときにもぴったりの一冊です。
5月のおすすめ本
『珪藻美術館(たくさんのふしぎ2019年6月号)』
奥修/文・写真
福音館書店/出版
珪藻土をご存じでしょうか。湿気取りや足拭きマットに使われる珪藻という藻が化石化し、堆積したものを珪藻土といいます。珪藻にはいくつか種類があり、特徴としてガラス質の殻をもっています。本をまとめた奥さんは川辺で珪藻を採集し、種類ごとに分けていきますが、その大きさは0.1ミリ以下。顕微鏡を使っての作業です。タイトルの「珪藻美術館」とは、顕微鏡からみるプレパラート上の芸術なのです。
珪藻の形はさまざま。理科の授業で習ったミカヅキモの形をしたものや、星の形をしたものもあります。本の最後には、それらを並べて作った作品が載っています。ぜひご覧ください。
4月のおすすめ本
『線は、僕を描く』
砥上裕將/著
講談社/出版
大学1年生の僕は17歳の時、両親を交通事故で失った。深い悲しみのなかで、心を閉ざすしか僕には生きるすべがなかった。そんな時、水墨画と出会い、自分自身も筆をとり描くようになる。真っ白な紙に墨一色でひたすらに描いていく。何度も何本も描かれたその線は僕の心を映し出し、そして人と僕とをつないでいった。
水墨画の描写は咲き誇るバラや春蘭を読む者の心に描き出す。それは墨の香りを感じるほどだ。
読んだ後、心が温かくなる優しい「生きること」の物語。
西脇市図書館
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更新日:2021年05月29日