地域医療夏季セミナー2024を開催しました
兵庫県内の11地区で開催された「地域医療夏季セミナー2024inひょうご」に、約130名の医学生が参加し、その一環として西脇病院が8月22日と23日に15名の学生を受け入れました。
このセミナーは、神戸大学と兵庫県地域医療支援センターが主催し、医学生に地域医療の重要性を理解してもらうことを目的としています。参加した学生たちは、西脇病院での見学や体験を通して、地域医療の現場について楽しく学ぶことができました。
1日目
オリエンテーション
オリエンテーションでは片山市長と岩井病院長が歓迎の挨拶を行いました。また、西脇市のPR動画で地域の特徴や文化を紹介しました。
片山象三市長
岩井正秀病院事業管理者兼病院長
来住副院長
上田事務局長
救急実習・DMAT活動紹介
経験豊富な看護師が、DMAT(災害医療チーム)の活動内容や役割についての解説と、救急実習を行いました。
DMATの重装備を体験
救急実習の様子
胸骨圧迫(心臓マッサージ)、人工呼吸による心肺蘇生とAED(automated external defibrillator:自動体外式除細動器)の使用方法を学びました。
最後に当院の医師と看護師が実演
市民交流施設オリナス(医師会館)見学
西脇市市民交流施設は、「つながり」をテーマに、健康・地域・観光を軸とした3つの交流機能を有する施設です。「市庁舎」、「市民交流施設」、そして西脇市多可郡医師会がある「健康福祉連携施設」を見学しました。西脇市では、市役所、西脇病院、そして西脇市多可郡医師会が密接に連携しています。
オリナスホールを見学
スカッシュ、体操やヨガ教室等ができる「うごくスタジオ」を見学
西脇市多可郡医師会がある「健康福祉連携施設」へ移動
昼食はTAKAMI COFFEE(タカミコーヒー)のワンプレートランチ
旧来住家住宅、播州織工房館、玉木新雌 見学
兵庫県西脇市の文化的特色をより深く把握するため、二つの象徴的な場所を訪れました。まず、大正期に建てられた邸宅で、現在は国の登録有形文化財となっている「旧来住家住宅」を見学。続いて、西脇市の伝統産業である播州織の歴史と技術を紹介する「播州織工房館」を訪問しました。この施設は、特徴的なのこぎり屋根を持つ工房とアンテナショップを兼ねています。
見学の締めくくりとして、バスで移動し、播州織の現代的な製造過程を垣間見るため、玉木新雌の工場を視察しました。この一連の訪問を通じて、西脇市の歴史的な建築物から現代の産業施設まで、地域の多様な側面を体験することができました。
旧来住家住宅で記念撮影
「播州織工房館」播州織の特長や歴史を見学
玉木新雌のLab(工房)を見学
製造や加工、販売など様々な工程を見学
院内見学
2班に分かれて院内を見学。岩井病院長と来住副院長が引率し、外来やリハビリ室、放射線科、医局などを案内しました。
入院棟
リハビリ室
交流会バーベキュー
西脇市にある「日本のへそ日時計の丘公園」にて、和やかな雰囲気の中、バーベキュー交流会を行いました。この交流会には、地元で診療所を営む医師や、経験豊富な先輩医師、さらには地域医療を支える活動をされている「西脇小児医療を守る会」の方々をお招きしました。医学を志す学生たちにとって、この機会は貴重な経験となり、様々な立場の方々と親睦を深める場となりました。
地元食材や黒田庄牛を堪能
西脇市の豊かな自然に囲まれてのBBQは格別!
2日目
八千代診療所見学
2日目の午前中、医学生たちは多可町にある八千代診療所を見学しました。この診療所は、兵庫県多可郡多可町八千代区下村に位置する地域医療の重要な拠点です。
この見学を通じて、医学生たちは地域医療の現場を肌で感じ、将来の医師としてのキャリアを考える上で貴重な経験を積むことができました。
八千代診療所の概要について説明
診療所内を見学
先輩医師とのランチタイム
昼食の時間を利用して、就職を迎える医学生が抱える不安や悩みに対して、当院の先輩医師がそれぞれの立場からアドバイス。医学生の皆さんにとって、現場の声を直接聞くことができる貴重な機会となりました。
地域医療ワークショップ
来住副院長が地域医療をテーマにしたワークショップを実施しました。学生は2つのチームに分かれ、仮想的な患者ケースについて活発な議論を展開。各グループは、診察時の質問内容、必要な検査、そして患者ケアの方策について意見を交換しました。
ワークショップの特徴的な取り組みとして、病院スタッフが患者役を演じる模擬診療が行われました。この演習を通じて、医学生たちは実際の診療場面に近い環境で医療面接のスキルを磨くことができました。このようなワークショップを通して、学生たちは地域医療の現場で求められる実践的なスキルや知識を体験的に学ぶことができました。
来住副院長が、地域医療においては患者さんのおかれている背景、家族など医学的なもの以外の様々な「気づき」が重要であると説明
先輩研修医も交えてのグループディスカッション
それぞれが自由に考え、意見を出し合う医学生
スタッフが患者を演じ、地域医療における診療の現場を疑似体験しました。
総括
2日間のすべての研修を終え、総括を行いました。
一言ずつ、今回のセミナーに対する振りかえりを述べる医学生
学生たちへの締めくくりとして、岩井病院長と来住副院長が心のこもった激励の言葉を贈りました。
最後は全員で記念撮影
短い間ではありましたが、地域医療夏季セミナー2024が終了しました。
夏休みの貴重な時間を費やして参加いただいた医学生の皆さん、ご協力いただいた関係者の方々に、心より感謝を申し上げます。このセミナーに参加した医学生たちが、近い将来、地域医療の現場で活躍する姿を心から楽しみにしています。
更新日:2024年09月09日