研修医 2008年~2009年

更新日:2020年04月01日

脳神経外科での後期研修を終えて 後期研修医 T.N

 平成16年に神戸大学を卒業し、新たな卒後臨床研修制度の第一期生として兵庫県内各地の病院で研修を終えた後、西脇市立西脇病院脳神経外科で1年間の後期研修を経験しました。

 昨今、地域医療の崩壊や産婦人科・小児科領域の医療スタッフ不足といった問題が様々なメディアで取り沙汰されることが多いですが、残念なことに、脳神経外科領域についても、兵庫県はあまりに医療格差が著しい地方であるといわざるを得ません。広大な面積を有し、山や島を持ち、北は日本海、南は瀬戸内海・太平洋に面する兵庫県は、日本国土の縮図であるとも言われますが、実際、神戸を主とする太平洋側で種々の脳神経外科病院が点在する一方、北部域では豊岡病院、中部域では当院のみが24時間脳外科手術の出来得る唯一の施設であることは、まさに日本の医療格差問題の縮図といえると実感しています。(一例で大雑把に言うなら、八キタでスノボをして、頭に大けがしたらまず豊岡まで運ばれる、神戸に帰る途中で交通事故にでも合って頭部外傷したら西脇にまで搬送される。手術開始までに何時間かかることでしょうか。)

 さて、そんな北播地域の脳外科疾患拠点病院である当院では、市内のみならず、近隣5市2郡、約40万人の人口を診療圏とし、自ずと様々な症例を経験することになります。具体的には、脳血管障害あり、脳腫瘍あり、頭部外傷あり、脊髄疾患あり、それらの初期診療から全身管理あり…と多岐にわたり、またその奥行きも深く、脳神経外科学の器の大きさを十分に知ることができます。また、ラットを用いた顕微鏡下の微小血管吻合を専用の施設でいつでも施行可能なことも当院の特色のひとつです。

 これらの診療を日々行なうわけですから、正直言って多忙です。毎日定時に帰りたい方にはお勧めしません。しかし、それでも日常の診療を充実して過ごせるのは、電子カルテをはじめとして効率化されたシステムが取り入れられているからで、特に看護師、検査技師、言語・理学・作業療法士、事務をはじめとする各医療スタッフの仕事の機敏さには目を見張る物があります。したがって、多忙といえど、他の公立病院とは比にならないほど、医師は医師としての専門職に専念できる環境があります。この下で真摯に研修を重ねていくことは、大きな自信となり将来の糧となります。

 脳神経外科を専門科として選ぶ人口は減少傾向にあり、またこの新しい研修制度ゆえ強制的にも他科の魅力にも接する機会が増えることで脳神経外科医を目指す方がさらに絞られるのも確かかもしれません。が、成り手が少ないということは見方を変えればチャンスでもあります。ひとりひとりの希少価値が高まるのですから、これから入門されるにあたっては医師としての存在意義はどの科よりも強いと言えるかもしれません。

 西脇市立西脇病院脳神経外科は、興味を持って研修されるならば、必ずや期待に沿える環境にあると確信しております。  

後期研修を終えて 後期研修医 M.U

 西脇市立西脇病院での14ヶ月間の後期研修を終え、兵庫県立加古川病院での22ヶ月間の後期研修と合わせて3年間の後期研修を終えることができました。今夏にはなんとか専門医試験を受験することができそうです。

 西脇病院皮膚科ですが、近隣に皮膚科が少ないこともあり、極軽症の湿疹や足白癬から皮膚悪性腫瘍や膠原病まで本当に幅広く診察させていただくことができました。また部長の藤川先生指導のもと、簡単な手術から植皮術や皮弁作成術や筋皮弁作成術まで様々な手術を経験させていただくことができました。このように、外来・入院の症例も手術症例も多様だったので、後期研修に最適な病院だったと思います。

 西脇病院はすごくアットホームな雰囲気のある病院でした。各科の先生方のフットワークは軽く、気軽に他科の先生方に相談できる環境に何度も助けられました。わずか14ヶ月でしたが、心からもう一度働きたいと思える病院でした。  

後期研修を1年間経験して 後期研修医 N.C

 H20年4月より市立西脇病院整形外科専修医として1年間の後期研修を経験しました。西脇病院は北播磨地域の北部の拠点病院としての役割を果たしており、扱う疾患は本当に多種多様です。救急搬送された小児や高齢者の骨折だけではなく、頚椎や腰椎などの脊椎手術、関節リウマチや変形性関節症に対する人工関節手術などの手術も多数行われており大変勉強になります。また手術を必要としない保存的加療(地域柄、高齢の方が多い為腰椎圧迫骨折や橈骨遠位端骨折など)の症例も多数経験できます。

 働く環境としても電子カルテを導入した新病院で綺麗ですし、看護師、リハビリスタッフ、検査・放射線技師、事務方を初め各々の医療スタッフの協力により医師としての仕事に専念できる恵まれた環境にあると思います。また、各科の先生方にもコンサルトしやすく、診療科の垣根も低いと感じました(何度も助けて頂き本当に感謝しています)。整形外科の先生方の指導の下、この1年間をやり遂げた事は将来の自分にとって貴重な財産となったと確信しています。

 市立西脇病院整形外科は後期研修先の病院として最適です。  

後期研修 後期研修医 T.S

 私は平成18年に医師となり、兵庫県立がんセンターで初期研修を2年間させて頂きまして、3年目より当院内科で後期研修を始めさせて頂く事となりました。

 当院での後期研修医を選択した理由はたくさんありますが、まず一つは正直に言うと、地元だからというのが大きな要素です。私も子供の頃、入院してお世話になったという事もあり、医師として地元の医療に微力ながら貢献したいという思いはありました。しんどい時にでも、地元のためにと思えば、モチベーションが沸いてきます。

 また、もう一つは、がんセンターでの初期研修は最先端の高度な医療を研修する事ができましたが、疾患の種類は限られていました。当院は内科として幅広い分野の数多くの疾患に関して、接する機会は山のようにありますし、珍しい疾患もたくさんあります。最初は診た事もない疾患に対し、分からない事や不安などもありましたが、そこを解消してくれたのが指導医の先生方です。このような事を質問したら怒られるかなといったような質問でも、優しく答えてくださいますし、困って悩んでいる時には必ず力になって下さいます。

 また、上部・下部消化管内視鏡、肝・腎生検などの検査や病棟処置(CV catheter挿入や胸腔・腹腔穿刺など)、血液浄化センターでの血液透析など、指導医の先生監督の下、どんどん積極的に施行できます。

 更に、看護師さんや技師さんなどのコメディカルの方達も優しく、チーム医療として患者さんに向き合って診療ができます。

 後期研修医ながら自分が治療方針を考え責任を持って患者さんの治療に当たる事ができる良い研修システムだと、私自身は満足しています。より多くの研修医が集まれば、より活気が高まり、更に良い研修ができると思います。そして、この病院で学んだ事や感じた事をこの病院での研修を選択した後輩に伝えていく事ができればと思っています。一緒に研修できる仲間を期待しています!

この記事に関するお問い合わせ先

西脇病院 事務局 病院総務課

〒677-0043
西脇市下戸田652-1
電話:0795-22-0111
ファックス:0795-23-0699

問い合わせフォーム