研修医 2014年

更新日:2020年04月01日

お気に入りのアイテム「タブレット」 1年目研修医 T・S

 ポリクリや国家試験の勉強でタブレットをすでに持っている、という方も多いかと思いますが、機械が苦手な私は今まで買ったことがありませんでした。しかし、働き出すと病棟で、医局で、家で、どこでどの本が必要になるかって、今までとは違いさまざまになって、これは必要かも!と思い、買ってみたのがタブレットです。 始めはどの製品がいいのかとかどうやってダウンロードするのかとか…機械音痴には大変でしたが優しい先輩の先生方に教えていただいて使いこなせるようになってきました。 私がタブレットに必要な本をダウンロードして持ち運ぶようになり一番助かっているお薬の検索です。一つ一つの疾患の病態を調べたり学んだり、は落ち着いて本を読むのが一番かと思いますが、せっかくこれかな?と思う疾患がわかり治療法までたどり着いても、使うお薬は商品名でなんという名前でどれだけの容量を何回か、ということや、副作用がぱっと出てこないと病棟や救急の現場では困ってしまいます。そんなときにタブレットです!疾患名や症状を入れると具体的な治療法が出てきたり、そこからお薬の詳しい情報にリンクしていたりします。また患者さんの持ってこられたお薬手帳を見て既往歴を考えるというときにもタブレットでさっと検索できるととても助かります。患者さんが意識清明で既往歴をしっかり言ってくれたり家族がしっかり記憶してくれていたらいいですが、なかなかそういう場合ばかりではなく、ある程度推測してこちらから聞かないといけないこともあったり、救急であればそれを参考に検査を追加したり…役立つ場面はたくさんあります。しっかり後で復習してお薬の名前や用法用量を覚えていくことも大事になりますが。 その他本のダウンロード以外ではメモやスケジュール管理にもとても役立ちます。病院内で動き回ると暑いのでKC一枚の私はポケットがメモ類などでいっぱいになってしまっていました。しかもどこに書いたのかわからない!ということもしばしば。タブレットにちょっとしたメモ書きをするようになって、例えば研修医のための回診で先生がおっしゃっていたことなどあとから見返して調べてまとめておくとまた見たいときにすぐに見られますし、メモみたいに書いてそのまま…ということも減ったように思います。 カンファレンスで聞いたスケジュールや副直の日、大事なスケジュールなどをカレンダーに入れるのもとても便利です。忘れてた!ではすまされないこともあるので聞いたときに記録できるのはとてもいいと思います。 使いこなせるかな?と不安ながらに買ったタブレットですがこんなに役立ってくれていてもう仕事において手放せない大事なアイテムです。

「医学書」 2年目研修医 K.A

 卒業試験は下から1割、国家試験もなんとか合格した私にとって臨床の現場は未知のことだらけでした。 西脇病院の研修は自由度が高い分、責任も伴います。 上級医がチェックしてくれるとはいえ、一年目から主治医として担当させてもらえる以上「知りません」「どうしたらいいのでしょうか」と全く仕事ができていない状況に甘んじているわけにはいきません。 患者さんの質問は必ずしも現疾患に限りません。 眠れない、不安だ、間食はいいのか、太った、など多岐に渡ります。 主治医である以上は何とかしてそれらの不安不満を少しでも和らげたいと思うものでしょう。 しかし、治療にも不安不満にも答えるだけの知識をもたない自分がいたのです。 働き始めてすぐに「知識不足」を痛感させられました。 それからは、患者さんに聞かれたこと、治療で疑問に思ったこと、治療経過が違う道を辿っていたらどうしたら良かったか、その都度調べることにしました。 時に疲労から後回しにしたいこともありましたが、ざっとでも必ずその日中に勉強することを決めていました。 想定して勉強したこと、以前診たこと、そういったことが徐々に増えてきたのが、一年目の年末でしょうか。 患者さんから「ありがとう」と言われる回数も心なしか増えてきた気がします。 これらの本は安い買い物ではありませんでしたが、患者さんが元気になって「ありがとう」の言葉を聞くと勉強の甲斐があったとしみじみ思うのです。

学生時代との違い「ぶつかった壁」 1年目研修医 T.E

 研修医として入職してからの環境変化は様々なことがありますが、学生の時との大きな変化としては主治医として責任を持って患者さんの診療に携わるということです。学生時代のポリクリでも担当患者を持たされることはあると思いますが、患者さんの診療に関わるというよりは上級医の先生が診察や処置をしているのを見学することが多いと思います。 西脇病院では2週間のオリエンテーションの終了後、いきなり主治医として患者さんが当てられます。研修医のためもちろん上級医の先生がバックについてもらえるのですが、基本的には自分で患者さんの状態を把握し、その日の検査や治療方針を自分で考えなければなりません。このように仕事に対して責任が出てくるということが学生の時との大きな環境変化だと思います。 研修医生活を初めてまず最初にぶつかった壁は薬や点滴の処方のやり方です。国家試験の勉強では例えば「胃・十二指腸潰瘍の治療にはPPIを使う」のように、1対1対応で勉強します。しかし臨床の現場では1つの薬を処方するにしてもどのぐらいの量を投与し、どのくらいの期間投与するのかなど把握しておく必要があります。また、内服可能な患者さんと点滴でしか薬が投与できない患者さんとで同じ作用の薬を出すにしても種類を変える必要があることもあります。 従ってその薬がどのような経路で摂取可能なのかということも理解しておく必要があります。このように薬の処方にしても理解していなければならないことがたくさんあり、日々勉強しています。 もう1つの壁としては患者さんやご家族とのコミュニケーションの方法です。患者さんの訴えや感情を聞き出したりする話し方や、家族へわかりやすく病状説明をする話し方など日々勉強しています。 薬の処方に関しては毎回本などで投与量や投与方法、禁忌などをチェックしています。またよく使う薬に関してはメモ帳に書き残しておき少しずつ覚えていくようにしています。 また患者さんとのコミュニケーションに関しては上級医の先生の話し方を盗むことが大切だと思います。なかなか患者さんにうまく伝わらないなと思う時でも上級医の先生の話し方をみて勉強になることがたくさんあります。また患者さんやご家族への病状説明のときには説明の前に説明の流れを簡単にまとめておくことも有効だと思います。流れをある程度把握しておくことであせらずに落ち着いて説明することができると思います。 良い研修病院の条件とは、簡単に理屈で割り切れるものではありません。 最終的には答えのない問題に対して真摯に取り組む姿勢を、自分自身の経験から掴むことができるかどうかと僕は思います。

「環境の変化」 2年目研修医 R.Y

 学生時代との一番の違いは責任の重さです。 担当患者がいても自分は学生だからという気持ちがあり、何もしなくても物事が進んでいきました。私は見学していれば良く、全くの傍観者としていることができました。 社会人になるとその環境は一変します。 先輩医師にとって当たり前のことが、私には実行困難であったり、全く未知のことであったりするのです。主治医として診療するため傍観者でいることもできません。 「言われたことだけしていれば良い」から「自分で課題を見つけ取り組まなくてはいけない」へと環境が変化したのです。 研修は内科からスタートしました。最初は先輩医師も丁寧に教えてくれるため、危機感もなく時間を過ごしていました。しかし5月の連休が終わると担当患者が増え全然仕事が回らなくなりました。 同期の研修医はできているのになぜ自分はできないのか、私が最初にぶつかった壁でした。 最初の時期に次は自分でできないといけないんだという意識が低かったのだと今は思います。患者さんにも大変迷惑をかけたと思います。 責任ある仕事を任されている認識をしっかり持ち、仕事に臨むようになりました。 二年目になり少しは仕事に慣れたころです。麻酔科の研修初日に医学書を持っていくのを忘れ予習もしていなかったところ、指導医に厳しく注意を受けました。また初心を忘れている自分が悔しくて、1日の最初の手術から最後の手術まで全部に立ち会い、終わってから予習をしました。後れを取り戻そうと必死でした。すると、注意してくださった指導医が認めてくださり、熱心に教えてくださいました。 初心を忘れてはいけないと痛感した出来事でした。 今でも苦しいときは自分が人の命を預かっていることを思い返すようにしています。 そうすると不思議とがんばれるのです。

働き始めて感じたこと「研修を始めて」 1年目研修医 M.M

 こんにちは!研修医1年目のMです。県内の大学を卒業し、地元の病院に研修医として戻ってきました。医者となってまだ数ヶ月。新鮮な毎日です。この記事を見てくださっているということは、西脇病院に興味のある方々と思われます。そんな人たちにもっと西脇病院を知ってほしい。もっと興味を持ってほしいと思います! 西脇病院のいいところは何といっても科の垣根の低さです。内科のローテーション中でも、外科に紹介した患者さんの手術に立ち会い、病理標本を作ったこともありました。救急患者さんでも分からなければ相談し一緒に診ていただけます。つまり、診療科にかかわらず相談しやすい雰囲気があります。やりたいという気持ちがあれば、たとえ患者さんが転科しても朝の回診について診察することも可能です。大病院ではなかなか難しいことだと思います。また、上級医の先生も専門知識が豊富で質問してもその倍以上の情報が返ってきます。バックアップ体制整っているので一人で困ることはありません。 数日前、廊下で一人の患者さんにお会いしました。内科のローテーション中に手術が必要な病気であることがわかり、外科に紹介した方でした。その手術には私も入れていただき、挿管、ルート、体位固定、手術の見学、標本の作製…というように関わらせていただきました。1週間後に廊下を歩いているところで偶然お会いしました。手術をしてよかったと、とても喜んでいらっしゃいました。

 まだ働き出してそんなに時間はたっていませんが、本当に信頼関係で成り立つ職業だと実感しました。患者さんと、家族と、そしてコメディカルの信頼を得て初めてその人にあった治療ができるのだと思います。確かに大きな病院ほど珍しい病気や難しい病気が集まるわけではありませんが、common diseaseと診断能力を学ぶにはうってつけの環境です。

「よい研修病院とは」 2年目研修医 M.Y

 経験からしか学べない智慧、洞察力、直感力。 プロになるためには相応の知識を身につけることは絶対条件ですが、 知識と経験が結びついて、初めて医師としての一歩が踏み出せます。

 しかし死ぬほどまじめにポリクリをしてきた学生以外は、圧倒的に経験は足りません。 今や医学生を取り囲む環境は、一流の医師による講義や、わかりやすい参考書など勉強する上で素晴らしい環境となっています。しかし、昔と比べて優れた研修医が数多くうまれているかと言われると、首を傾げざるをえないというのが本当のところではないでしょうか。やはり聞く、読むだけではなく、経験から学ぶことが大事なのでしょう。

 テクニックや知識も、本来経験から掴むべきものではないかと私は思います。

 経験し、自分で考え、経験豊富な上級医とともに反省し、知識やスキルが血肉となって身に付いていく。そういう研修ができる環境が、自然と整っている良い研修病院であり、私は当院でそのような研修ができていると感じています。

 具体的には当院の研修はとても自由です。

 「楽」「放置」ではなく、自由な環境と責任を受け持てる環境、その絶妙なバランスがあります。一人一人の希望に応じて症例を調整してくれたりもしてくれます。 多くの症例を、自分が主治医となり主体的となって経験できるので、質の高い経験を積むことができます。

 また院内の雰囲気が良く、研修医やスタッフの方と飲みにいったり、スポーツしたり、BBQしたりしてリフレッシュしながらメリハリをもって働けます。

 また、地域性も良く、西脇市民は最高です。

 また患者様やその御家族も優しい方が多く、逆にこちらも元気を頂くことがあり、一つのモチベーションにもなります。

 私は働き始めて本当に良い環境で研修できていることを実感してます。

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