外科

更新日:2021年09月29日

外科

外科の理念・特徴

 当院は、がん診療連携拠点病院として各種のがんの診断、治療及び緩和医療に取り組んでいます。当科では、さまざまな悪性疾患に対して、ガイドラインに従い内科医、放射線科医らと連携・協力しつつ、診断・治療をおこなっております。いわゆる大規模病院と同じ標準治療ををおこなうことが可能です。また、当院は中規模病院ならではのフットワークと横のつながり(診療科同士の連携)の良さを生かして、迅速な診断、治療(手術待機時間などが短い)をおこなうことができます。また、悪性疾患以外でも代表的な外科的疾患である、胆石・胆のう炎、鼠径ヘルニア、虫垂炎などを中心に手術治療をおこなっており、患者さまのからだに負担の少ない低侵襲な腹腔鏡手術をおこなっています。救急医療にでは交通外傷を中心に、外科系救急疾患に日々対応しています。

 これからも北播磨地区のみなさまに当院を選んでいただけるよう、そしてこの地域の医療に貢献すべく、外科スタッフ一同努力してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

外科主任部長 伊藤卓資

各疾患に対しての治療

3Dシステムを用いた安全で、精密な腹腔鏡手術

 2017年より、3Dシステムを用いた腹腔鏡システムを導入し、精密でかつ安全な腹腔鏡手術をおこなっております。手術は定型化(すべての術者が同じ手順、同じ機器を用いておこなう)され、安全に、合併症の低下、在院日数の減少につながっており、患者さまの安全に寄与しております。

安全な全身麻酔手術

 昨今の患者さまの高齢化により、手術・麻酔のリスクが高まっております。全身麻酔の手術は、心肺機能に非常に負担がかかります。当科では、手術前に心肺機能の評価を慎重におこない、リスクのある方は循環器内科、呼吸器内科に受診していただき、リスク評価をしたり、必要であれば心疾患の術前治療(心臓カテーテル治療など)をおこないます。その後、麻酔科診察にて最終的にリスク評価をおこない、安全な麻酔・手術がおこなえております。

悪性疾患に対する治療

胃がん

 当院では、診断をしっかりとおこない、内視鏡的切除可能である場合は、内科で内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)をおこないます。内視鏡的治療も年々拡がっており、胃がんに対しての外科手術が少なくなってきている状況です(全国的な傾向)。患者さまにとっては、切らずに済むので朗報であります。

 外科的手術の適応となった場合、術前診断を慎重におこなった上でガイドラインに従い、cStage1.胃がんに対しては、低侵襲(からだに負担の少ない)治療である、腹腔鏡下幽門側胃切除術、腹腔鏡下胃全摘術をおこなっており、cStage2.~3.胃がんに対しては、開腹幽門側胃切除術、開腹胃全摘術をおこなうようにしております。今後は低侵襲治療である腹腔鏡手術の適応が拡がっていく可能性があり、当科はそれに従っていく予定です。また、Stage4.胃がん・切除不能胃がんに対しては、日本臨床腫瘍学会指導医と専門医の在籍する当院内科と相談しつつ、化学療法をおこなっております。

大腸がん

  •  近年増加傾向にある大腸がんですが、胃がんと同様に、当院では、ポリープがんに対しては内視鏡的粘膜切除術(EMR)をしっかりおこなっています。大きいポリープ(LST:側方発育型腫瘍など)などには、当院内科で、胃と同様、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)がおこなわれます。この影響で、外科手術の減少につながっておりますが、手術せずに済むというのは患者さまにとって大きなメリットになっています。ポリープがんもガイドラインに従い、粘膜下層への浸潤等により、外科手術が必要になります。これは当院の内科・外科での共通の認識を持って治療内容が決定されます。外科手術適応となった大腸がんに対しては、基本的に全例腹腔鏡下手術をおこなっています。肛門に近い、従来では直腸切断術となった症例では、肛門温存の手術をおこなうことができます。症例によっては、人工肛門造設となりますが、当院にはストーマ管理のプロである、「皮膚・排泄ケア認定看護師」が2人おり、バックアップ体制は万全です。また、胃がんと同様、化学療法(抗がん剤による治療)が必要な場合は、内科と相談しつつ、治療をおこなってまいります。
  • 大腸癌治療ガイドライン(大腸癌研究会編)
  • 日本臨床外科学会ホームページ

肝がん

 転移性肝がん、原発性肝がんに対して、肝切除をおこなっております。肝葉切除から、部分切除まで、幅広くおこなっております。

胆嚢がん

 胆嚢摘出+肝床切除+所属リンパ節郭清手術をガイドラインに従い、おこなっております。

悪性疾患以外に対する治療

鼠径ヘルニア

 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(TEP法)をおこなっています。2012年より腹腔鏡手術をおこなっており、下腹部に3か所孔(あな)をあけておこないます。術後の疼痛も少なく、平均5日間の入院です。再発率は過去5年間ゼロで、非常に満足度の高い手術です。

胆石・胆のう炎

 腹腔鏡下胆のう摘出術をおこなっています。通常、4ポート(4つのあな)の手術ですが、当科では、おへその単孔式(ひとつのあな)と3.5mmのあながもうひとつだけの非常に低侵襲な手術です。もちろん高度な胆のう炎を伴うケースでは、無理をして患者さまの安全が損なわれないよう、開腹手術に切り替えたり、その場で対応しております。

急性虫垂炎

 単穴式(おへそにひとつのあな)腹腔鏡下虫垂切除術をおこなっております。

腸閉塞(イレウス)

 絞扼(こうやく:腸がねじれている)が疑われる場合は、緊急にて開腹手術をおこないます。条件が合えば、腹腔鏡手術でおこないます。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)

 当科には兵庫医科大学炎症性腸疾患外科で修練・実績を積んだ、松岡医師と蝶野医師が在籍しており、専門的に、内科治療はもちろん、大腸全摘+回腸嚢肛門吻合手術など高難度な手術をおこなっております。また、手術適応も経験が豊富なため、厳格におこなっています。

内痔核など肛門疾患

通常の内痔核根治術、ALTA治療(切除せず、薬液注入による治療)をおこなっております。痔ろう、肛門周囲膿瘍にも積極的に手術治療をおこなっております。

直腸脱

 腹腔鏡下直腸固定術をおこなっておりますが、再発率はゼロで、非常に満足度の高い手術です。

CVポート造設

 局所麻酔下に、内頸静脈アプローチにて前胸部皮下に造設しています。年間約100例行っており、地域の在宅支援に貢献しています。

 その他、食道裂孔ヘルニア、肝嚢胞、脾臓摘出術などを腹腔鏡下手術で安全におこなっております。

災害派遣医療チーム(DMAT)

 当院は、兵庫県北播磨地区の災害拠点病院です。災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として、松岡医師と蝶野医師が日々訓練・調整等をおこなっております。

地域医療機関の先生方へ

 当科は、365日、24時間宅直体制をとっており、いつでもご連絡いただければ、迅速に対応させていただきます。何かわれわれにできることがあれば、いつでもご連絡いただければありがたく存じます。

 初診、入院治療から退院、在宅治療まで、途切れのない通常診療、がん診療、および緩和ケアを目指し、先生方とともに患者さまを支えていきたいと思います。

手術実績(2020年1月~12月)

総手術件数 302例、全身麻酔手術287例、腹腔鏡下手術 191例  (中心静脈ポート造設は除く)

膵がん、胆管がん、食道がんの手術はおこなっておりません。診断、相談は可能で、high volume centerへ紹介させていただいております。

外科手術実績

疾患名

件数

術式(うち腹腔鏡手術)

胃がん

18

幽門側胃切除13(8)

噴門側胃切除0(0)

胃全摘5(2)

直腸がん

14

前方切除11(11)

腹会陰式直腸切断0(0)

ハルトマン手術3(2)

結腸がん

26

結腸切除24(20)

ハルトマン手術2(1)

乳腺

31

乳房全摘24(内、センチネルリンパ節生検16)

乳房部分切除7(内、センチネルリンパ節生検7)

 

胆石

70

胆嚢摘出術70(56)

総胆管切石0(0)

痔核・痔瘻

直腸脱

肛門周囲膿瘍

4

ALTA1

痔核根治術1

直腸脱手術1(1)

肛門周囲膿瘍手術1

虫垂炎

30

虫垂炎手術30(27)

中心静脈ポート造設

103

 

リンパ節生検

13

リンパ節生検13(2)

人工肛門手術

5

人工肛門造設術1(0)

人工肛門閉鎖術4(0)

 炎症性腸疾患 3

 潰瘍性大腸炎手術0(0)

 クローン病手術3(2)

上部消化管穿孔

2

胃十二指腸潰瘍手術2(0)

上部良性疾患

1

胃局所切除1(1)

下部消化管穿孔

1

小腸・大腸穿孔手術1(0)

下部良性疾患

2

小腸切除2(1)

肝臓

4

肝部分切除4(1)

胆嚢(悪性)

1

胆嚢がん手術1(0)

脾臓

1

脾摘出1(1)

腸閉塞(イレウス)

7

腸閉塞手術7(1)

ヘルニア手術

62

小児そけいヘルニア0(0)

成人そけいヘルニア58(54)

その他のヘルニア4(0)

食道裂孔ヘルニア

0

Nissen手術0(0)

   その他 10  

 

NCDデータベース事業への参加

当院は、PDF 一般社団法人National Clinical Database のデータベース事業に参加しています。

医師紹介

医師紹介

伊藤卓志医師

伊藤 卓資

  • 副院長
  • 外科主任部長
  • 医療安全管理室長

資格

  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本がん治療認定機構認定医
  • 検診マンモグラフィ読影認定医
松井医師

松岡 宏樹

  • 外科部長

資格

  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化管学会胃腸科専門医・指導医
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  • 日本大腸肛門病学会専門医・評議員
  • ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター
  • 災害派遣医療チーム研修過程終了
  • 内痔核治療法研究会 ALTA療法施行認定医
蝶野医師

蝶野 晃弘

  • 外科医長

資格

  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化管学会胃腸科専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  • 日本大腸肛門病学会専門医
  • 日本癌治療認定医機構認定医
  • ストーマ排泄リハビリテーション学会ストーマ認定医
  • 内痔核治療法研究会 ALTA療法施行認定医
  • 日本腹部救急医学会腹部救急認定医
  • 災害派遣医療チーム研修過程修了
服部医師

服部 航士

  • 外科医員

認定施設、教育について

  • 日本外科学会外科専門医制度関連施設
  • 日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設(認定施設)
  • 日本乳癌学会認定医・専門医制度関連施設
  • 日本消化器病学会専門医制度認定施設
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設
  • 日本消化器内視鏡学会指導施設
  • 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究会登録施設
  • 地域がん診療連携拠点病院
  • 兵庫県北播磨災害拠点病院
  • 臨床研修指定病院

この記事に関するお問い合わせ先

西脇病院 事務局 病院総務課

〒677-0043
西脇市下戸田652-1
電話:0795-22-0111
ファックス:0795-23-0699

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