病理診断科
病気の適切な治療のためには、病気の正確な診断が不可欠です。肺癌や胃癌などの病気を持つ患者の体から採取された臓器や組織・細胞を、肉眼あるいは顕微鏡で観察し、この病気が何であるか、どのくらい進行しているかなどの判定を下すことを病理診断といいます。 病理診断は、患者の治療方針を決める重要な行為であることから、医師が行う「医行為」であることが明確に定義されており、医師でなければ行うことはできません。病理診断を専門とする医師(病理医)は、患者に直接お会いすることはありませんが、病変(病気の起こっている場所)から採取された組織や細胞から作製した顕微鏡標本(プレパラート)を観察し、その細胞の配列や形態をもとに病理診断を行います。主治医は、病理医によって報告される病理診断結果を受け取って初めて適切な治療が開始できます。 当院においては平成26年4月より病理診断科を標榜し、診療科の一つとして病理診断業務を行うことで日常診療に貢献しています。
診療体制
常勤医師1名と非常勤医師2名、細胞検査士4名、検査技師1名が診療に携わっています。当科では採取された臓器、組織や細胞を肉眼あるいは顕微鏡を用いて調べ、最終診断や重要な医療情報を患者の皆様に提供しています。当院の病理診断科は、日本病理学会研修登録施設としての資格を有しております。
診療内容
病理診断科では主に4つの業務を行っています。
病理診断
内視鏡検査や手術などで採取された組織について、肉眼的あるいは顕微鏡を用いて調べ(写真1)、良性か悪性かの判定を含めて、組織診断を行います (写真2)。 確定診断のために特殊染色や免疫染色を行うことがあります。治療のために遺伝子変異やタンパクの異常発現を調べたりします (HER2, EGFRなど)。
写真1
写真2
術中迅速診断
手術時に良性か悪性かの判定や病変が取り切れているかどうかを調べたり、切除する範囲を決定したりする場合に行います。手術術式の重要な判断となります。提出されてから約15分で診断を行います。
細胞診
写真3
子宮、甲状腺、乳腺、喀痰、尿、腹水や胸水などから採取された細胞について顕微鏡を用いて調べ、良性か悪性かの判定を行います(写真 3)。現在、4 名の細胞検査士が活躍しています。
病理解剖
不幸にして治療の甲斐なく病院で亡くなられた場合、ご家族の方にとって死亡原因を知ることは重要なことです。解剖して死亡原因を調べたり、治療の効果を判定したりします。
医師紹介
医師 | 役職 | 資格 |
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大西 隆仁 | 部長 |
日本病理学会病理専門医研修指導医 日本臨床細胞学会専門医 病理(死体)解剖資格 |
更新日:2022年01月28日