検査部

検査部 部長 市橋 里美
病気の正確な診断と適切な治療の実施や治療効果の判定、病気の予防のためには正確な臨床検査情報は欠かせません。
我々は、患者さんの目に触れないところで病気が早く良くなります事を願い、24時間体制で365日休むことなく検査を実施しています。
現在、臨床検査技師の国家資格を取得した検査技師20名と技能員1人で検体検査や細菌・生理・病理検査などさまざまな検査業務に携わっています。
日々進歩していく医療の中で以下のような資格を取得した技師も在籍しており、専門的知識・技能を生かし診療に貢献しています。
・糖尿病療養指導士 1名
・超音波検査士 健診領域 3名
・超音波検査士 消化器領域 3名
・超音波検査士 循環器領域 3名
・超音波検査士 体表領域 3名
・超音波検査士 婦人科領域 1名
・超音波検査士 血管領域 1名
・乳がん検診認定乳腺超音波技師 1名
・細胞検査士 4名
・特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 1名
・精度管理責任者 1名
チーム医療の分野では抗菌薬適正使用支援チーム、感染対策チーム、糖尿病療養チーム、栄養サポートチームなど検査部にとどまる事なく院内のあらゆる場所で多職種の方々と協力し活躍しています。
検査部の理念
臨床検査を通じて広く市民の健康と福祉に貢献する
検査部の基本方針
患者さんの立場を考える検査を目標に
「検体検査は正確に!迅速に!」
「生理検査は親切に!丁寧に!」
を心がけて検査していくことを基本方針にしています。
臨床検査とは
臨床検査は患者さんから得られた検査材料について行う検体検査(一般検査、生化学検査、免疫・血清検査、血液検査、病理検査、細菌検査)と、心電図や肺機能検査など、患者さんと接して直接検査させていただく生理検査に分かれます。
検体検査

一般検査
おもに、尿と便の検査をしています。尿中の蛋白、糖や細胞を調べて、体の状態を知ることができます。便中の血液の有無を調べることにより大腸がんの早期発見もできます。
その他、身体から採取した穿刺液(胸水、腹水、髄液)などの成分を分析する検査、各ウイルス検査(インフルエンザ、ロタ、アデノ、O-157、ノロなど)などを行っています。
生化学検査
臨床化学検査
身体の各臓器由来の酵素や蛋白や生活習慣病のひとつである糖尿病検査の血糖・ヘモグロビンA1cを測定しています。
免疫・血清検査
外敵から身を守る免疫蛋白、各組織から分泌されるホルモン量の測定、各腫瘍から産生される腫瘍マーカー、感染症の原因となるウイルス・細菌に対する抗体の測定をしています。

血液検査
血液中の赤血球、白血球、血小板などを計測し、貧血や炎症が無いかを調べます。
また、血液や骨髄中の細胞を顕微鏡で観察し、白血病などの血液疾患の有無を調べます。院内でフローサイトメトリーを実施していますので、当日中に細胞の分類・同定を行う細胞表面マーカー検査まで結果を出せ、病型分類・診断・早期治療へ貢献しています。

輸血検査
血液型や、輸血時の交差適合試験、不規則抗体検査を行っています。 各血液製剤を常に在庫し(特殊な血液は除く)24時間輸血できる体制を整えています。

病理・細胞検査
体のいろいろな部分から採取した組織や細胞を顕微鏡で観察して、炎症性や異型性、良性や悪性の判別、細胞の由来などを形態学的に判定・診断する検査です。
病理組織検査
手術、胃カメラ・大腸ファイバー、その他さまざまな方法で採取された組織の病変部を病理医が顕微鏡下で観察し、それぞれの病気について病名の診断をします。
左の写真は、胃の腺癌細胞(ヘマトキシリン・エオジン染色)の顕微鏡写真です。

細胞診検査
喀痰、尿、婦人科分泌物、髄液、胸腹水など、体から採取されたいろいろな材料から、炎症性細胞や異型細胞を顕微鏡下でさがし出し、病気の診断の補助をする検査です。
細菌検査
人体から採取可能な材料(喀痰、尿、便、血液、膿など)を検体として菌の培養、同定を行い、その菌に対する抗菌薬の効力を検査します。
生理検査
生理検査は1階のHブロックにあります。
心電図検査、肺機能検査、脳波検査、超音波検査などさまざまな検査があります。乳腺エコーや胎児エコー検査などは女性技師にて対応し、プライバシーに配慮しています。多少時間がかかりお待ちいただくこともありますが、ご了承ください。
備考:()内はおよその所要時間です。

循環機能検査
胸が苦しい、不快感がする、どきどきするなどの症状を色々な心電図検査を通して検査します。また、24時間血圧測定をすることで高血圧の診断をしていきます。
- 心電図(10分)
- マスター負荷心電図(20分) :運動負荷をし、心電図変化を観察します。
- トレッドミル負荷心電図(30分) :運動負荷をし、心電図と血圧の変化を観察します。
- ホルター心電図検査・ホルター血圧検査(24時間):24時間の心電図や血圧の変化をみます。

呼吸機能検査
呼吸機能検査は肺の働きを調べる検査で患者さんに最大努力をしていただく必要があります。この検査は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発見に有効な検査です。また、手術前検査としても重要な検査です。
- 肺機能検査(10分) :最大努力による最良の結果を得るために検査前に十分な説明をします。

脳神経機能検査
- 脳波(60分:電極装着時間を含む):けいれん発作や意識消失発作、脳外傷のときなどに行う検査です。
頭に電極を装着した状態で部屋を暗くし閉眼にて記録します。可能であれば開閉眼、光刺激や過呼吸負荷をして変化を見ます。 - 聴性脳幹反応(ABR)(約40分):音刺激による蝸牛から脳幹および大脳皮質にいたる聴神経経路を検査します。ヘッドホンを装着し閉眼にて記録します。
超音波検査
身体に超音波をあて、臓器からの反射を画像にし、心臓の動きや臓器の形状を見る検査です。超音波は放射線ではないため被爆の心配はありませんが、骨や空気があると見えない場合もあります。検査は身体にゼリーをおき、超音波が臓器に届きやすいようにします。また、息を止めていただいたり、身体の向きを変えていただくこともあります。
- 心臓エコー(30分)
- 腹部エコー(30分) :空腹時に検査を行います。
- 頚動脈エコー(30分)
- 乳腺エコー(30分)
- 甲状腺エコー(30分)
- 血管エコー(30分)
- 体表エコー(10分)
その他の検査
- 動脈硬化度検査(ABI検査)(10分)
- 睡眠時無呼吸検査(1晩)
- 神経伝道速度(約15分):手や足に電極を装着し電気刺激を与え神経伝道速度を調べます。
- 尿素呼気試験(20分):薬を飲んでもらい、服用前後の呼気からヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無を調べます。
- 呼気NO(5分):呼気中の一酸化窒素(NO)の濃度を調べます。


予約検査につきましては、時間通りに検査を受けられるよう配慮しておりますが、個々の患者さんの病態により、開始時間が前後することもあります。御了承ください。
更新日:2023年06月01日